思い立って、「大磯」へ行ってきました。10時半に最寄り駅から電車に乗り、お昼頃到着し、3時半にはもう家に帰ってきました。
何をしに行ったのかというと
「思い出を探しに。」
昨日やっていた大河ドラマで、「新島襄先生終焉の地」として大磯が登場し、また、いつもテニススクールでお世話になっているコーチが
なんと大磯から通ってきているのです!なんという遠距離通勤でしょう。
そんなことも心にひっかかってはいました。
私は小さい頃、夏休みや冬休みなど、学校が休みになると、大磯にある父方の叔母の家に遊びに行っていました。それがもう楽しみで楽しみで。
毎日のように行っていた、
大磯ロングビーチ。飼い犬2匹と山道をお散歩したこと。海に行ったこと。
何より、家から見える、大磯の街並と雄大な相模湾の美しさといったらありません。遠くの山々、どこまでも続く湘南の海辺。
日が暮れると、宝石箱をあけたようなまばゆさで輝きだす、夜景の美しさ。今でもたまに、夢にみます。
物心ついたときから小学校3年生まで休みの時には必ず遊びに行っていた、懐かしい大磯の家。
小3の時、叔父が病気になり、叔母たちは杉並区高円寺に引っ越してきました。大磯の家も叔父の知人に売り渡したということでした。
それから数年後、叔父は亡くなり、一人になった叔母は高円寺でアパート経営をしていましたが、高齢になり、子供もいないので、
熱海の老人ホームに入ることになりました。そのホームも、山の上で、海が見えるきれいなお部屋。
「おばちゃん、ここに決めたのはね、海が見えてね。大磯を思い出すからなの」と、よく叔母が言っていました。
大磯は、叔母にとっても懐かしい思い出の地なのでしょう。
そんな大磯駅の右側の「坂田山」を登った中腹にある叔母の家は、実は20年前にも行ってみたことがあるのです。
そのときも、ふと思い立って行ってみました。懐かしい山路を昇っていくと、白い瀟洒な家だったのに、なんだか廃屋のようになって、でも段々畑のようなものが作られ、玄関口には何かの「断食道場」みたいな掛け看板がありました。
もう、人手に渡ってだいぶたつので、どういういきさつでこうなったのかは知る由もなく…
何枚か写真をとって帰ってきました。
それから20年。
今日は、もっと廃屋化?が進んでいるかも、と思っていました。
大磯の駅から左へずっと登っていく道をちょっと行き過ぎてしまって、あわてて戻ってきて、「あれ、この道だっけ?」と半信半疑で
登っていくと、確か小さなお地蔵さんがあって…と、ありました!この道であってる!
そしてさらに登ると、今度は「このへんに『大島』さんのおうちがあったはずだけど」…大島さんのおうちは表札が代わっていました。
あんなに、「山道」だと思っていたのに、ちょっときつめの登り坂、という程度です。
小さかった私は、駅からずっとかけ通しで、このお地蔵さんのところで必ず立ち止まって、後ろからくる叔母や祖母を(祖母もまだ健在で一緒に来ていました)少し待ってから、大島さんの家の前を通り、もう少し登って、そして…
叔母の家につきます。
叔母の家はどうなっていたかというと、廃屋でしょうか?
いえいえ 綺麗なおうちに建て代わっていました。でも、玄関のところの石垣と、椿の木はそのままでした。
ベランダに布団が干してある。誰か住んでいる…「○○」と表札も出ています。
私はなんだか…さびしかった。むしろ廃屋だったほうが…入り込めたのに!と思って。
玄関からさらに石段が上の方につづいていて、建物の入り口があるはずですが、そこに大きな木が生えている。
その木の下には、クッキーの空き缶にいろいろな宝物をつめて、埋めてあるはず…シールだとか、せみの抜け殻だとか。
どうしただろう?まだあるかしら。
それから、当時、玄関脇のところには、山ユリがたくさん咲いていた。かぐわしい香り。思い出の香り。
私が今でもユリが好きなのは、これが理由だと思います。今でも、夏になると、このおうちでも咲いているかしら。
もう、人手に渡ってしまった家屋をいつまでも見上げていても仕方がないので、「高田公園」まで行きました。
坂田山の頂上にある、小さな公園です。毎日、飼い犬のお散歩コースで遊びに行っていたのです。
なんだか道が変わっていて、新しい家が建っていたり、迷いそうになりました☆彡
でもどうにか無事に到着。つくなり公衆トイレを拝借♪とても清潔なトイレでした。
親子連れがお弁当を食べていた。
東京駅で買って、ずっと持って歩いているペットボトルを片手に、藤棚の下で一休みしていると、
公園の手入れをしていたおじさんが「それ、捨てましょうか?」と聞いてくれた。「いえ、まだ入ってるので」と答えると「ああ、それじゃどうぞごゆっくり」と、にっこりしてくれました。
ブランコや滑り台、動物の形のベンチ、どれもこれも懐かしい。軽く、体操などしてみたりしました。
高田公園の藤棚。
途中の山道から見た湘南方面の海。きらきらと陽光にきらめいて、ちょっぴり涙がでました。
あの日と同じ、小さかった私が見ていた景色が、数十年後にこうして目の前に広がっている。
何度、夢に見たことでしょうか。
駅まで来て、駅前の食料品店に入ってみました。地産地消ふうなお店です。そこで、お花の苗を売っていたので「ビオラ」の苗を2つ買いました。
「思い出」のお土産。ベランダに植え替えて、大切に育てたいと思います。
「大磯迎賓館」というレストランがありました。今度、行ってみようかな。
遠いようで、行ってみれば案外近かった。3時半には帰ってきて、ちゃむちゃんをインフルエンザの予防接種に連れて行きました。
今日、どこへ行ってきたのか、娘たちにはナイショです。もちろん、パパにも。本当に、ふと思い立ったのです。
懐かしくて懐かしくて、たまに夢にみて、夢にでてくるのは小さい私、水着に着替えて浮き輪をぱんぱんにふくらませたまま、若かった叔母と一緒に山路を駆け下りて、駅前からバスに乗って一日ロングビーチで遊んだ日。昨日のことのように覚えている。
変わりゆくもの、変わらないもの。美しい思い出は、永遠に胸の中で輝いている。
こんな小旅行、たまにあってもいいかもしれない、と思いました。
今日は、坂田山を登って降りてだけだったので、今度はもう少しあちこち見て回りたい、と思いました。
第2のふるさと☆大磯へのプチ旅行でした♪