英語で人生修行していこう!

50代で塾講師
独学で英語の上級をめざしています

♪あなたなら どうする♪

2012-12-23 11:41:31 | TIME reading
と、まぁ、冗談じゃない記事が今週の最新TIMEのカバーストーリーでした。

'Want to know my future?'/ New genetic tests can point to risks
-but not always a cure

34ページから始まる今回の記事には生命倫理(bioethics)の新たな規範づくりがどうしても必要になりそうな内容でいっぱい!

というのも、現在なら約7500ドルかかるスプーン一杯ほどの血液検査で判明する
何百種類のその個人の病気の発生時期が、
検査した研究者や医師の主観に基づいて告知する範囲を決めることになっているから。

遺伝カウンセラーってご存知でしたか??
もうある一定以上のお金持ちなら、自分とその子どもたちの将来に発病する病名とその時期がある程度正確にわかるのです。
だからその件についてどうするのか、相談する係りの人のことを指します。

何もかも知りたい。
ウソが一番罪悪だという米国人の国民性を表していると思いませんか?

良いほうに解釈するなら、発症するにちがいない病気を遅らせることができる。
たとえば心臓病とか、糖尿病とか、肥満(これも遺伝病に含む)とか。
喫煙をやめる、暴飲暴食を減らす、規則正しい生活を送るなど・・・・。

問題は、これが悪用されるとどうなるか。
もの凄い個人情報になりますぞ!

この記事によれば、人間の遺伝子は23組のDNAから成っているのです。
一つが父親、もう一つが母親からのもの。
その組にそれぞれ番号をつけ、百科辞典になぞらえると分かりやすい、と
TIMEの記事は、38~9ぺージにかけて図にしてあります。

その中の1巻のどこの文章に誤字脱字(ミススペル)があるかで
何歳でどんな病気が発症するかわかるということだそうです。

あと数年すると、妊娠判定薬のように
薬局で簡単に自分の血液をある器具に一滴たらすだけで
自分の運命が予測できるようになるでしょう。
もうすぐ近未来のことだと思うな。
どうですか?知りたいですか??

生命保険会社などは、的確に顧客のリスクヘッジが可能になるでしょう。
そして怖いのは、後天的に事故などで障害者になる場合を除いて
遺伝的なハンディをもった赤ちゃんが産まれなくなるということになる。
つまり妊娠前期で胎児を中絶を希望する若い女性が増えることに繋がるでしょう。

うぅぅぅ~む。
もちろん親になるなら、健康な赤ちゃんであって欲しいと願う。
でも、ここが基準になり、それでも産むという選択をした親に
社会から「エゴだ!やめろ」とバッシングを受けたりするようになるのじゃないかな?

もう一つは60代以降に難治性の病気、アルツハイマーやパーキンソン病などに罹るということがわかった時点で
自殺者が増えるのじゃないかなという恐れです。
それを抱えながら生きていけるほど強い人ばかりじゃないでしょう?

科学が人間に恩恵をもたらすとばかり言い切れないことが、
今回のTIMEの記事ではわかることになりました。

人間の精神って簡単にウツになったりするんですわ。
亡母があっという間に60歳初頭からウツ→廃人同様になりましたもの。
なので、肉体と精神、このどちらもとても危うく壊れやすいものだと
常々認識を新たにせねばと思いました。

数字やそれに伴う結果などは、その人を総合的に判断するためのものではない。
でもそれがあまりに簡単にその人自身をすべて計ってしまう尺度に使われますよね?
これが私もいつも自分の塾生の皆さんに
自問しながら自戒しつつ、
人間を全体で見るための大切なことだと思っています。
差別は人の心の恐怖が作り出すものだと思うからです。