ビクター・バウト。
この男性の人となりは以下のようであります:http://www.ichizoku.net/2010/03/death-marchant.htmlから一部引用
1967年タジキスタン生まれ。
私より10歳年下で44歳か。
モスクワの名門、軍事外国語学校を卒業し、6ヶ国語に堪能だった。
英語はまったく問題がなく、フランス語もほぼ完璧だった。
語学の才能は群を抜いて素晴らしかったのですね。
冷戦が終わって所属していた空軍が解散になると自分で事業を始め、
数年で彼は複数のパスポートと身分証明書を手に入れると同時に、
個人としては最大級の数の航空機を所有することになった。
所有機の大半は老朽化したソ連製のアントノフ機だった。
これらの飛行機を使って、リベリアのテーラーやシエラレオネのRUFをはじめ、
アフリカの怪しげな軍隊のために数百トンもの精密兵器をヤミで運ぶのが仕事だった。
1996年には50-60機の飛行機をベルギーを拠点として運航していた。
本拠地をUEのひとつジャルジャに移した。
もっとも所有機のほとんどは、リベリアの会社セヌ・リベリア航空所属としていた。
リベリア籍の会社ならば世界中どこにでも事務所を置いてよいことに加え、
世界のどの国とでも自由にビジネスができる。
タックスヘイブンを国にしたような感じなのだろうか。
さらに、その国では会社の役員や株主の名前を届け出る必要も無ければ、
資本金の最低制限もない。会社設立の法的手続きも一日でできる。
リベリアが国益のためにあらゆる違法な取引に加担していることが伺える。
バウトは武器と同様になんでも世界各国へ空輸した。
資料によれば、要請があればなんでも運んだらしい。
すごいネットワークを持っていたんだな。
実際、中央アフリカ周辺に国連の平和維持群を空輸したこともあったし、
米国が中心となった飢餓救援物資の輸送も手伝ったという。
カモフラージュをすることも忘れていないということだろう。
誰もが慈善家だと思ったことだろう。
こういうのが頭が切れるということなんだろう。
このあたりにしておけば、悪い方面で彼が有名になることもなかったのだが
問題はアルカイダとの取引が表面化したことだ。
とにかく儲かるなら何でもしたのがまずかったのだろう。
目算違いというところかな。
彼にとってアフリカの内戦は金儲けにはぴったりの場所だったので、
それだけに焦点を当てていたなら、たぶん今もその地位が安泰だったのではないだろうか。
しかし、1990年代後半からバウトの新たなつながりが
アフガニスタンのタリバンとアルカイダへの武器提供になってきたことで
米国CIA情報機関にとって大きな懸念材料となった。
組織が大きくなりすぎたのかもしれない。
第六感が鈍ったのだろう。
悪いことはできないものだ。
10年前の2002年、ベルギー政府はインターポール(国際刑事
警察機構)を通じて違法武器取引の罪状でバウトに逮捕礼状を出した。
令状は直ちにバウトが年のうち数ヶ月を過ごすモスクワに送付された。
米政府当局者には、ロシアは必ずバウトの身柄をベルギー当局に引き渡すか、
あるいは少なくとも逮捕するだろうという自信があった。
ところがロシア側は、バウトはロシアには滞在していないと言い張ったのだ。
きっとロシア側には彼の逮捕で知られたくない事情があったのだろう。
彼はいくつもの身を守れる切り札があったのだ。
彼は2008年にタイで逮捕され、3月12日に判決が言い渡される予定であった。
検察側は25年を言い渡すということだが、TIMEのアーカイブでも詳細がよくつかめない。
しかしまぁ彼の画像はTIME内にあったのでUPしてみました。
いかがですか?
ハリウッドですぐに実在の人物として映画化されそうな筋立ての人物は
とても素敵な風貌じゃないですか。
司法取引をしてすぐに釈放されるのかな?
彼のやってきた行為で何百万人もの人間が死んでいる事実があっても
たぶんこういう人物はこれからも存在すると思う。
なぜなら「必要だから」。
小説を読むより面白いことっていっぱいあるなぁって思います。
動向を見守りたいと思います。