秋の寂しさにより、冬へと向かう上での、心構えとして、秋冬の寒さを、想いのあふるる心を込めて、一応、私の幼い頃や、親が年老いた頃の親子関係を中心にして、今現在の秋の暮れをも、八首ばかり、種々様々に歌い上げました。以下に示す。
赤とんぼ戯(たわむ)る如(ごと)く我が腕に、止まるを見つる秋の夕暮れ
秋深し里のとんぼの人懐(なつ)き、ふいに虫類(むしるい)に興味を抱(いだ)きぬ
母の背に止まりしとんぼを我(われ)つかむ、幼き日々の我を想ひぬ
我と父互いに話しし幼き日、今は夢にぞ父逝きにけり
父買いし地球儀を見し幼き日、父指し国へ行きたしとぞ思ふ
親子して金の使いし荒々(あらあら)と、母の美容の代(だい)は我(われ)が払ふか
郡山に住む母にとり、この街は、早稲田の街と、母は信じつ
今日も暮れ、夏の喧騒虚無(けんそうきょむ)にして、寒きを忍びて冬支度しつつ
以上。よしなに。wainai