静岡県浜松市にある、スズキ楽器の「気軽に始めて、かなり楽しめる。『トレモロハーモニカの扉』」を、定価(本体 3,500円+税)で、購入した。アマゾンからであり、運送はヤマト便である。
今回は、何の問題も起こらずに、無事に我が家へと届いた。それだけで安心安堵した。
私が買った、トレモロ・複音ハーモニカ入門セットは、初心者向きであり、調子は基本のC調であり、海外のアーティストの曲、ポール・アンカの「ダイアナ」、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」、ルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界 What A Wonderful World」、「テネシー・ワルツ」、シカゴの「サタデー・イン・ザ・パーク」と言った、大ヒット曲の複音ハーモニカ版が収められている。
これらは、特にシカゴやルイ・アームストロング、サッチモ、歌でもスタンドバイミーなどは、CMなどでも有名だ。どこかで聞いた事のある曲ばかりである。昭和(平成?!)世代ならば、完璧に、分かりやすい楽曲群である。
それに、簡単な教則本がついている。これは、探り吹きも試せる、実際にやってみて、実戦ありきの教本らしい。
但し、冒頭の音の配列表には数字譜が載っているが、本編の楽曲の楽譜には数字譜がない。これが問題ではある。
元々、この複音ハーモニカは、私が今まで使って来た21穴とは違い、13穴しかない。だから、このハーモニカの担当の音の範囲が短く狭く、本格派ではないが、初心者にとってはかなりやりやすいのかも知れない。私も初心者と同等と見做(みな)せば、やってやれない事は無い。郡山市のヨーカ堂の、ヨークカルチャーセンターでの、酒井勝治先生の短い門下生とはいえ、それゆえ、元々は私は初心者なのであるからして…。
いつも21穴の、長いハーモニカに慣れた私だが、ハーモニカ自体も極めてコンパクトであり、ユニークでユーモアあふれたフォルムで、どこへでも持ち出せる。ポケットサイズの、どこか、ブルースハープ・テンホールズ・十穴ハーモニカを思わせるサイズの、可愛い形の複音ハーモニカである。ズバリ、このハーモニカ、思わず、「かわいい!!」とうなずける代物である。
全部が全部、ハーモニカも、全てが日本製、メイドインジャパン、で統一されているのも、お気に入りの一つ。これは得した、との想いひとしおです。
それに、この製品には、CDの音源が付いているのである。これは、貴重だ。大体の見本演奏。その技術的ポイント・コツ。後はカラオケ。各種奏法への、教則本とCDと両方で、購入者の技術向上を狙うスズキ楽器の方針と、それを迎え撃つ、教わりたいと望む私がいる…。
そうして、この本とセットでは、さぐり吹きや、堅苦しい形式にこだわらずに、自由さを徹底追求している所が、私の最も自分で買って良かった、と思う点である。
堅苦しくなく、自然にそれらが身についたら、しめたものである。要するに、音楽とは、音を楽しむから、そういうのである。堅苦しく考えていてはちっとも前には進まずに、楽しくなくなる。詰まらない。
学問ではなく、理屈でもなく、実戦から入って練習を重ねる。血のにじむような努力。
とにかく常にハーモニカに触れ、これと共にいつも練習に励む。とにかく実践。
これは、日蓮正宗の「事の一念三千」と全く同じ考え方であると、音楽の初歩の地点にいるこんなに小さな私にでも、直ぐに理解できる程の、理解力など全然要らない、まだ使いこなしたり、教わったりしてはいない現在進行形の段階の私が言うのも変だが、願望も含め、私の今の率直な、想い、である。
けれども、チャールズ・チャップリンが、この世に必要なのは、少しのお金と…、と言ったように、学者のように全部を知らずにそんなに勉強できなくてもいいから、それでこそ、少しの勉強も又、必要なのだ。これは必ず言える。
正に、楽器の王様、手の平のオーケストラ、複音ハーモニカ、万歳、である。
※編集後記
この教則本で、一番問題だと思っているのが、基本は全編C調ではあるが、所々、調子が違う所があり、そこは、CDのカラオケに任せる、といった風であり、教則本では、調子の異なるハーモニカでも演奏可能というが、その部分は演奏を停止させるか、アドリブでごまかすか。この、ハミングメイトにはない調子のハーモニカは、無いものはないので、やっぱり21穴の各調子のハーモニカに最終的には行き着く事となる。まあ、それが前提と最初からわきまえて置けば心配も要らない。
それに、この本には、前もって、中程のページで、21穴のハーモニカの宣伝広告も載っている事からも、このハミングメイト13穴だけでは、どうしても限界が楽器自身にある事を物語る。
私などは、逆コースであり、21穴ハーモニカから、こちらの13穴のハミングメイトに移ってきた組であり、何ら問題はないが、初めてこの楽器を手にした純粋な初心者には、最初は驚くかもしれないが。
まあ、この教則本では、カッコ付けて、曲調が複雑な洋楽に重きを置きすぎたきらいがある。
もっと、複音ハーモニカが得意とする、童謡、唱歌、演歌、フォークソング、Jポップなどの、日本の音楽にも目を向けていれば尚の事良かった。
何も、奇をてらう必要も無かったのである。
それが、私がこの製品に最も注文を付けて言いたかった事である。
まあ、この楽器のシンプルさ、手軽さ、小さいことは正義、だとわきまえていれば、何ら問題はない。その人にとり、正によき相棒、友人足りうる、一生涯の楽器となろう。
以上。よしなに。wainai