もう一昔前の事
一人の酒好きの男がおったそうな。
その男、本来は一人で飲むのが好きなのだが、時として話し相手が欲しくなることもあるんだとか。

「君、明日の土曜日は空けておきなさい。」

「承知いたしました。」

「君は横浜だったよね。」

「はい。上大岡に住んで居ります。」

「そんなことは聞いちゃいないよ。それにそんな個人情報を晒すんじゃない」

「いえ、横浜も上大岡も同じレベルの話だと思いますが」

「ちみぃ、横浜は350万都市だよ。20万人程度の町と一緒にするんじゃない!」
(
当時、横浜はまだ350万人に達していなかったと思いますし、上大岡に20万人なんて住んでないと思いますが)

「し、失礼いたしましたぁ」

「10時に阪東橋駅で集合だ。」

「ぇ?阪東橋」

「君は阪東橋も知らんのかね」

「存じ上げておりますが」

「なら素直に従いなさい」

「訪問先はどちらの取引先でしょうか?」

「あちこちだ」

「・・・」

「くれぐれもスーツなんて着てこないように」

「え・・・」

「そうだな、ジーンズに上はジャンパーだな」

「ジーパンなんて持ってませんが。それにジャンバーじゃぁないんですか?」

「ちみぃ~。ジーンズも持ってないのか。じゃぁチノパンでいいよ。」

「チノパンってなんですか?アヤパンとかカトパンの仲間ですか?」

「ちみぃ、まだアヤパンなんてまだ存在してないだろう。勝手に話を作るんじゃぁない。チノパンはチャイナズボンの事だよ」

「え、人民服ですか?」

「本当に世間知らずだなぁ。明日みっちり教育してあげるから。」

「ありがとうございます。確認ですが、上はジャンバーですね」

「ち、ちみぃ~。ジャンバーってなんだい。ジャンパーだろが」

「ぇ、ジャンパーなんですか。広島ではみんなジャンバーって呼んでましたけど」
(
多分、私の周りだけの話だと思います。広島の皆様失礼いたしました
)

「広島訛か。仕方ないねぇ。都会ではジャンパーだから覚えておきなさい。」
(
多分、私の周りだけの話だと思います。広島の皆様失礼いたしました
)

「スタジャンでよろしいですか。」

「スタジャンより、北の国からの五郎さんが着ている綿が入った奴が良いんだけどね。出来たらニット帽も」

「一体何処に行くんですか」

「まぁ黙ってついて来れば良いんだよ」

「軍手も持ってた方が良いですか?」

「君も分かって来たじゃないか」
なぁ~んて、連れていかれたのが、南区散歩
今の愚昧だったら集合場所は伊勢佐木長者町か石川町にしただろうな
彼は高橋うどんは知らなかったんだろうな。山上を起点に西に歩いて行ったんだったと思う。その後何度か同行させていただいて、今の愚昧があるのだが。
時は流れて横浜の人口って370万を超えてるんだって。
酒屋もどんどん増えているかも思いきや
今のご時世
個人営業の酒屋は少なくなる一方
なんの根拠もありません。愚昧の個人的感想です

だって、その昔は数歩歩いたら次の酒屋に

あまりにも極端な表現ですが酔ってると100歩が1歩に感じるもので・・・
それでも頑張っていらっしゃる酒屋さんもあるのです。
覗き込むとお客さんはいらっしゃらない。
奥に陣取って大ビンを発注
缶詰類や乾き物
煮抜きなんかも見えますねぇ。
でも、話好きの大将の話をアテにお酒が進くん
福久娘は灘のお酒でしたっけねぇ
端から長居のつもりはなし
サクッと立ち去るのが角打ちの流儀
ぁ、此処のお店は角打ちではなく立ち飲みだって大将に怒られるぞ
お店の情報は個人の備忘録として掲載しています。訪問時とは所在地、営業時間、定休日等変更になっていたり、そもそも誤った内容を記載しているかもしれません。最新の情報はお店のHPなどでご確認ください。
『
田原屋酒店』
神奈川県横浜市南区中村町2-124
・横浜市営地下鉄阪東橋駅徒歩10分
営業時間:7:30~20:00
定休日:火曜日
20181208