海人(ウミンチュ)とは:
海を愛する人
海で遊ぶ人
海で仕事をする人
大海の心を持った人
2018年新春、そんなウミンチュになりたく久しぶりに釣竿を持って沖縄久米島に単身向かった。
久米島には30年来の親友であるナカ、そして近年親しくしてもらっているツーさん、漁師エンドー君らがいるのだ。仲間のウミンチュらとの最高の時間を楽しむべく僕は機上の人となった。
僕のベースがあるいつもの南紀白浜雑魚釣り沖とは違う琉球の海である。旅を決めた昨秋頃からかなりワクワクしていたのだ。
今回で沖縄での釣行は5回目となる。遠征するにあたり、ジギングタックル1つはナカにレンタルするとして自身のタックルはベイトタックル2本とスピニングタックル1本とした。サブの為のベイトリールとスピニングリールは宅配で別送したドカットケースに入れておいた。
ベイトリールには其々PE2.5号のスーパーファイアライン、スピニングリールにはPE3. 4. 5号のラインを用意した。
さてどんな魚が釣れるのであろうか…。
ナカは僕のために滞在中の3日間を休日シフトにアレンジしてくれているようだ。
関西空港にてクルマを預けてチェックイン。天気予報を確認するとやはり久米島には風速10メートル前後の風が吹くようだ。また日中は雨マークがついている。釣行初日と3日目は、エンドー君の船とナカの知人の船長に頼んでいるのでまず出港は可能だろうが、2日目に目論んでいた小さな船を借りるという予定はこの海況予報では困難かもしれない。
「まぁ、なんくるないさー」である。
那覇空港に着き、トランジットに2時間ほど時間があるので一度外に出してもらい空港内だがレストランで沖縄そばとオリオンビールを頼んだ。
しかし以前からつくづく思っていた事だが、沖縄に入れば間違いなくオリオンビールが一番美味いし、沖縄そばがどんな麺類よりもダントツ美味いのである。この日もそう思った。やはりその地の風土には地元の食が一番合っていると思うのだ。これは全世界共通の自論なのである。僕が年に数度訪れるイタリアに行けばイタリアのワインが1番イタリア料理に合うと思うし、タイに行けばやっぱりタイのビールが美味いのである。
滞在中は泡盛を飲もうとそう心に決めた。
那覇は21度である。ダウンジャケットとマフラーが瞬時にして邪魔になった。
久米島空港にはナカが迎えにきてくれていた。
久米アイランドにチェックインし、先に送っておいた釣り道具のセットをした後、久しぶりのイーフビーチへ足を向けた。
初めて此処に訪れたのは約30年前である。それだけ月日が流れても変わらぬ紺碧の海、白い砂浜、流れゆく雲がそこにあった。
コンビニに向かいビールやツマミを買っててくてくと歩いていると、向こうの方から軽ワゴンに乗ったツーさんと出くわした。そしてそのままツーさんの営むゴーヤルーにて買ったビールで再会を乾杯した。
夕食は居酒屋・南島にて。翌日のエンドー君の船に乗る久米アイランドのスタッフ2名とナカとツーさん、少しだけエンドー君も顔を出した。島らっきょうがやっぱり美味かった。
気持ちよく酔って、その後またゴーヤルーへ行きツーさん特製のラーメンを食べて僕は部屋に戻ったのであった。
翌朝8時半、エンドー君の大洋丸で久米島空港沖界隈へ出港した。
スマガツオ
イソマグロ
アザハタ
イッテンフエダイ
厳しい海況下であったが、美味い魚がヒット!楽しかった。しかし魚種が豊富なのには驚いた。
その夜は釣った魚でゴーヤルーにて宴となった。久米アイランドの料理人・ジュンがスマガツオとイソマグロは刺身、ミーバイらは煮つけにしてくれた。それらを肴にエンドー君持参の泡盛一升瓶をグングン飲み進み、夜9時半に酩酊した僕は一足早くホテルに戻ったのであった。
翌朝、この日はナカとツーさんが知人に小さなボートを貸してもらう話をつけてくれて、前日の内に操船方法や近場のポイントを教えてもらっていたのだが、予報通り朝から鬼雨で風も強く到底船など出せない天候である。
ナカに連絡すると昨夜腹を壊して朝5時まで寝れなかったとの話。午前中はゆっくり休むように伝え、僕はバーデハウスに行く事にした。
バーデハウスとは海洋深層水を使用したサウナ銭湯である。プールもあるらしいがそれは要らない。場所はかつての畳石の辺りにあるようだ。
行きしは久米アイランドからテクテクと3キロ強くらいの道程。途中、人気のない道路に犬が放し飼いされていてこちらを見てるので、目を合わせないように距離を置いて歩いた。帰りはタクシーを利用した。
なんて事ない普通だがしょっぱい銭湯に浸かった後、ホテルに帰りナカと具志川のユキへ沖縄そばを食べに行き、お土産にシークァーサー果汁と久米島の塩、そしてオリオンビールを買って部屋に戻った。
離島でする事がないと時間を持て余す。
久米島の観光地は既にあらゆる所に行っているのだ。近くの防波堤に行ってみたのだが強風でとても釣りが出来そうではない。それに水が澄んでいるので魚がいない事が容易に分かるのだ。
部屋に戻りもう一缶のビールを空けて昼寝した。
ナカからのLINEで目が覚めた。シャワーを浴びて、ツーさんとナカとで焼肉を食いに行った。がっつり食って1人2000円と安くてとても美味かった。久米島に来るときは釣った魚を食す合間に焼肉も良いかもしれないと思える店だった。
その後、ゴーヤルーでTVを観ながら泡盛のソーダ割り。沖縄の魚図鑑を見ながらゆっくりと酔っていった。
スローライフここにあり!
久米島3日目、朝から波3メートルとかなり時化た海況、半ば強引に出港した。船に弱い人であればイチコロであろう。
真泊港から出港し、はての浜の先にある灯台を過ぎて南下した。
しかしこの日は本当に魚がジグに反応しない。船長も魚探に魚が映らないと苦しげな表情である。
久米島南にあるトンバラと呼ばれる岩場付近、ジギングには絶好と思われるポイントでも全くジグに魚が触らない。
更に久米島を時計回りに一周しながらランガン、水深150メートルくらいのポイントで突然僕のジグにガツンとアタリがきた!
かなりの引きでリールが巻けない。指ドラグで少しずつ魚を根から剥がした。
一昨日の時にはなかった強い引きである。
上がってきたのはヒレナガカンパチの8キロであった。体長は80センチあるかないかだが、体高がありぶりっとよく太っていた。
やはりカンパチはブリの引きよりは数段上の引きである。
内心目標としていた15キロには遥かに及ばなかったが、今回の久米島でターゲットにしていた魚を釣り上げる事が出来た!
一昨日より更に厳しい海況下、エサ釣りのツーさんがゆうに1メートルはある馬鹿でかいキツネフエフキとファイトしている途中にサメに魚を喰われ、頭だけを釣り上げるという事態もあった。
ナカにもなんとかイソマグロがヒットし、今回の釣行では皆んななんとかボウズを逃れた。
この夜も釣った魚をジュンが捌き、刺身と寿司、そしてカブト焼きに。
観光協会の方が泡盛の一升瓶を持って参加し、ゴーヤルーで楽しい宴となった。
帰りの朝、朝食を取りに行くとナカが働いており、ジュンがわざわざ僕を待っていてくれた。朝メシを食いながらジュンと話すと、どうやらジュンの若い奥さんは、ウチの嫁の高校の後輩という事を知った。
空港までツーさんが車で送ってくれた。
今回の久米島旅も最高であった。
久しぶりに旅先で家に帰りたくないと、まだここに居たいと思っている自分がいた。
久米島の仲間に心から感謝!感謝!
久米島万歳!
追記:最終日の釣行の帰り、真泊港の前でイルカに出会った。船の方に跳ねてきて船底を潜って沖に出て行った。最後に琉球の海の遣いが挨拶にきたように感じた。
海を愛する人
海で遊ぶ人
海で仕事をする人
大海の心を持った人
2018年新春、そんなウミンチュになりたく久しぶりに釣竿を持って沖縄久米島に単身向かった。
久米島には30年来の親友であるナカ、そして近年親しくしてもらっているツーさん、漁師エンドー君らがいるのだ。仲間のウミンチュらとの最高の時間を楽しむべく僕は機上の人となった。
僕のベースがあるいつもの南紀白浜雑魚釣り沖とは違う琉球の海である。旅を決めた昨秋頃からかなりワクワクしていたのだ。
今回で沖縄での釣行は5回目となる。遠征するにあたり、ジギングタックル1つはナカにレンタルするとして自身のタックルはベイトタックル2本とスピニングタックル1本とした。サブの為のベイトリールとスピニングリールは宅配で別送したドカットケースに入れておいた。
ベイトリールには其々PE2.5号のスーパーファイアライン、スピニングリールにはPE3. 4. 5号のラインを用意した。
さてどんな魚が釣れるのであろうか…。
ナカは僕のために滞在中の3日間を休日シフトにアレンジしてくれているようだ。
関西空港にてクルマを預けてチェックイン。天気予報を確認するとやはり久米島には風速10メートル前後の風が吹くようだ。また日中は雨マークがついている。釣行初日と3日目は、エンドー君の船とナカの知人の船長に頼んでいるのでまず出港は可能だろうが、2日目に目論んでいた小さな船を借りるという予定はこの海況予報では困難かもしれない。
「まぁ、なんくるないさー」である。
那覇空港に着き、トランジットに2時間ほど時間があるので一度外に出してもらい空港内だがレストランで沖縄そばとオリオンビールを頼んだ。
しかし以前からつくづく思っていた事だが、沖縄に入れば間違いなくオリオンビールが一番美味いし、沖縄そばがどんな麺類よりもダントツ美味いのである。この日もそう思った。やはりその地の風土には地元の食が一番合っていると思うのだ。これは全世界共通の自論なのである。僕が年に数度訪れるイタリアに行けばイタリアのワインが1番イタリア料理に合うと思うし、タイに行けばやっぱりタイのビールが美味いのである。
滞在中は泡盛を飲もうとそう心に決めた。
那覇は21度である。ダウンジャケットとマフラーが瞬時にして邪魔になった。
久米島空港にはナカが迎えにきてくれていた。
久米アイランドにチェックインし、先に送っておいた釣り道具のセットをした後、久しぶりのイーフビーチへ足を向けた。
初めて此処に訪れたのは約30年前である。それだけ月日が流れても変わらぬ紺碧の海、白い砂浜、流れゆく雲がそこにあった。
コンビニに向かいビールやツマミを買っててくてくと歩いていると、向こうの方から軽ワゴンに乗ったツーさんと出くわした。そしてそのままツーさんの営むゴーヤルーにて買ったビールで再会を乾杯した。
夕食は居酒屋・南島にて。翌日のエンドー君の船に乗る久米アイランドのスタッフ2名とナカとツーさん、少しだけエンドー君も顔を出した。島らっきょうがやっぱり美味かった。
気持ちよく酔って、その後またゴーヤルーへ行きツーさん特製のラーメンを食べて僕は部屋に戻ったのであった。
翌朝8時半、エンドー君の大洋丸で久米島空港沖界隈へ出港した。
スマガツオ
イソマグロ
アザハタ
イッテンフエダイ
厳しい海況下であったが、美味い魚がヒット!楽しかった。しかし魚種が豊富なのには驚いた。
その夜は釣った魚でゴーヤルーにて宴となった。久米アイランドの料理人・ジュンがスマガツオとイソマグロは刺身、ミーバイらは煮つけにしてくれた。それらを肴にエンドー君持参の泡盛一升瓶をグングン飲み進み、夜9時半に酩酊した僕は一足早くホテルに戻ったのであった。
翌朝、この日はナカとツーさんが知人に小さなボートを貸してもらう話をつけてくれて、前日の内に操船方法や近場のポイントを教えてもらっていたのだが、予報通り朝から鬼雨で風も強く到底船など出せない天候である。
ナカに連絡すると昨夜腹を壊して朝5時まで寝れなかったとの話。午前中はゆっくり休むように伝え、僕はバーデハウスに行く事にした。
バーデハウスとは海洋深層水を使用したサウナ銭湯である。プールもあるらしいがそれは要らない。場所はかつての畳石の辺りにあるようだ。
行きしは久米アイランドからテクテクと3キロ強くらいの道程。途中、人気のない道路に犬が放し飼いされていてこちらを見てるので、目を合わせないように距離を置いて歩いた。帰りはタクシーを利用した。
なんて事ない普通だがしょっぱい銭湯に浸かった後、ホテルに帰りナカと具志川のユキへ沖縄そばを食べに行き、お土産にシークァーサー果汁と久米島の塩、そしてオリオンビールを買って部屋に戻った。
離島でする事がないと時間を持て余す。
久米島の観光地は既にあらゆる所に行っているのだ。近くの防波堤に行ってみたのだが強風でとても釣りが出来そうではない。それに水が澄んでいるので魚がいない事が容易に分かるのだ。
部屋に戻りもう一缶のビールを空けて昼寝した。
ナカからのLINEで目が覚めた。シャワーを浴びて、ツーさんとナカとで焼肉を食いに行った。がっつり食って1人2000円と安くてとても美味かった。久米島に来るときは釣った魚を食す合間に焼肉も良いかもしれないと思える店だった。
その後、ゴーヤルーでTVを観ながら泡盛のソーダ割り。沖縄の魚図鑑を見ながらゆっくりと酔っていった。
スローライフここにあり!
久米島3日目、朝から波3メートルとかなり時化た海況、半ば強引に出港した。船に弱い人であればイチコロであろう。
真泊港から出港し、はての浜の先にある灯台を過ぎて南下した。
しかしこの日は本当に魚がジグに反応しない。船長も魚探に魚が映らないと苦しげな表情である。
久米島南にあるトンバラと呼ばれる岩場付近、ジギングには絶好と思われるポイントでも全くジグに魚が触らない。
更に久米島を時計回りに一周しながらランガン、水深150メートルくらいのポイントで突然僕のジグにガツンとアタリがきた!
かなりの引きでリールが巻けない。指ドラグで少しずつ魚を根から剥がした。
一昨日の時にはなかった強い引きである。
上がってきたのはヒレナガカンパチの8キロであった。体長は80センチあるかないかだが、体高がありぶりっとよく太っていた。
やはりカンパチはブリの引きよりは数段上の引きである。
内心目標としていた15キロには遥かに及ばなかったが、今回の久米島でターゲットにしていた魚を釣り上げる事が出来た!
一昨日より更に厳しい海況下、エサ釣りのツーさんがゆうに1メートルはある馬鹿でかいキツネフエフキとファイトしている途中にサメに魚を喰われ、頭だけを釣り上げるという事態もあった。
ナカにもなんとかイソマグロがヒットし、今回の釣行では皆んななんとかボウズを逃れた。
この夜も釣った魚をジュンが捌き、刺身と寿司、そしてカブト焼きに。
観光協会の方が泡盛の一升瓶を持って参加し、ゴーヤルーで楽しい宴となった。
帰りの朝、朝食を取りに行くとナカが働いており、ジュンがわざわざ僕を待っていてくれた。朝メシを食いながらジュンと話すと、どうやらジュンの若い奥さんは、ウチの嫁の高校の後輩という事を知った。
空港までツーさんが車で送ってくれた。
今回の久米島旅も最高であった。
久しぶりに旅先で家に帰りたくないと、まだここに居たいと思っている自分がいた。
久米島の仲間に心から感謝!感謝!
久米島万歳!
追記:最終日の釣行の帰り、真泊港の前でイルカに出会った。船の方に跳ねてきて船底を潜って沖に出て行った。最後に琉球の海の遣いが挨拶にきたように感じた。