ITの発達は本当に人にいいのか

原稿を届に若い社員やバイト君が封筒持って通った時代は遠い昔になった。
FAXとなり、今はメールに添付して送る。

それによって、原稿運びの人手と時間は必要なくなった。
ある意味合理的だ。
でも、失われたものもある。
ひとと人が直接触れ合う機会が減った。
そのことは人間同士の関係を希薄にする。
機能だけが全てになりがちだ。
情が介入する余地がない。

最近は精神的にダメージを受けている人も多い。
これには明確な裏付けがあるわけではない。そういう話題が増えて病院にいく人が増えた説もあるし、医療の現場側の受け入れ態勢が整ったからという説もある。

バブル崩壊を経て、リストラが進み、正社員の数が仕事の量の割には少ないという状況が増えた。
その結果肉体的にも精神的にも疲れてしまうケースも多いようだ。

そこにIT技術が追い打ちをかける。
机に向かって集中しても、ときどき届け物などで気分転換がはかれた昔の環境はすでにない。

仮にひとと会って打ち合わしても世間話をする余地がない。
そんな無駄な時間はだんだん許されなくなっている。

今は過渡期なので、いわば公害が問題になる前みたいな状況だと思う。
IT公害という言葉が生まれる日も遠くないのではないか？