「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

興福寺仏頭展、東京藝術大学美術館

2013-10-16 20:27:58 | 見仏(特別展)
普段は、奈良興福寺にある仏頭をはじめ、
同じく国宝の板彫りの十二神将と普通の十二神将が
奈良からやってきた。

仏頭展と銘打っているので、仏頭のCG映像などもあり、
主役級だが、普通の十二神将が一番の見所だった。

十二神将は、ややこぶり。推定1Mくらい。
少し不可解だったのが、鎌倉時代の作なのに、
玉眼でないこと。奈良の地というのもあったりするのかなあと
想像する。奈良時代は、当然、玉眼などはない。
あと、鎌倉時代にしては、ちょっと保存状態が悪かったり
するかもしれない。
あざやかな彩色は、あまり残っていなかった。

十二神将は、1回見ただけでは、もったいないので、
2、3回は回った。
その中で、一番怖い顔大賞は、「はいら」。
コミカル大賞は、「ひから」。

ちょっと風変わりだったのが、「ばさら」。
ばさらは、オーバーアクションなスタイルをしている。
また、他の十二神将は、靴が武将の中国靴という印象だが、
このばさらだけ、ぞうりをはいていた。
足の指の描写も血管浮き出るようでもあり、
生々しい感じで、仏像としても、
こんな表現をしている仏像は、ほとんど見られない。



仏頭は、火事で焼け落ちたため、下に落ちて、
破損したということらしい。
鋳造のようで、鉄の感じがする。
1M近く、頭だけであるというから、
立像だとしたら、推定8Mほどの大きさかなと想像する。
けっこう大きい。

この仏は、如来らしい。
如来は通常、らほつ(らはつ)があるが、この仏頭にはない。
らほつが最初はついていて、後でなくなったのか・・・。
最初から、らほつがなくても、当時、
らほつがない如来もあったというから、
なんとも言えないらしい。

左の耳は大きく破損している。
右の耳は、ほぼ残っていて、
アフリカ土人にみられる感じで
耳たぶに大きな穴があいている。

仏頭は、なんとなく眼の感じが宇宙人ぽい。
興福寺は、法相宗。法相宗といえば、薬師寺などもそう。
そういえば、薬師寺の日光月光菩薩と、
なんとなく通じる顔立ちかもしれない。
鼻がスッと高く、その点ではインド的要素。
(でもそれほど高いというわけではないが。)


他には、なぜか、調布の深大寺の小ぶりな鉄感のする仏が
展示されていた。深大寺は、かつては、法相宗だったらしく、
その関係で展示されているようだった。
この深大寺の仏は、普段はガラス越しにしか見れないが、
今回は、同じ空気を吸うつながった空間で、見ることができる。


仏頭が主役なくらいなので、
大きな期待をして見には行かなかったが、
まあ、そこそこ満足。
久しぶりのケンブツであった。






コメント
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