新聞記事で見た「郷愁の譜 与勇輝(あたえゆうき)展」が見たくなって、しもだて美術館に行ってきました。
実は山梨の親戚の家の近くに「河口湖ミューズ館・与勇輝館」があって、前から一度行ってみたいとは思っていたのですがなかなか機会がなかったのです。
ちょうどお昼頃に「しもだて美術館」に到着。混雑はなくゆっくり見られそうです。
3階の展示室に入ったとたん目が釘付けに。
そこに並ぶ作品(人形)はもう本当に生きているとしか思えません。いまにも動き出しそう、いや、じっと動かないように我慢しているんじゃないか、と思うほど。
作品はすべて布でできているというのですが、にわかには信じられません。また衣装や小物も作者が手づくりだそうで実にリアルです。顔や手の表情、目、ポーズが実に見事。ひとりひとりの性格まで感じられます。しかもこれらの作品、すべて自立しているというのですから驚きです。どうやってバランスを取っているのでしょう?
展示作品は「ピーターパン」「ゾラ」など物語に題材を得たもの、明治大正など一昔前の何気ない生活の一場面をとらえたもの、戦中戦後をテーマにしたもの、映画のシーンや役者さん、そして昔や今の子供たちの遊びの様子など、バラエティ豊かでユーモアもいっぱいです。
すべての作品が素晴らしかったのですが、自分が特に心を惹かれたのは「「面映」という、少女が縁側に座っているヒトコマ。美しくもどこか陰のある表情がなんともいえません。
こういった単体作品のほか、兄弟や家族など何人かで組み合わせられたものや10人以上の群像もあり、見ているとそのストーリーも伝わってくるようです。そんな中で印象に残ったのは「召集令状」という戦中のある家族を描いた作品。なんだか見ているうちに、いまは亡き祖父母や父母のことが思い出されて涙が。。。もちろん自分はその時代にはいなかったのですが。。。
展示室に入って最初の作品から引き込まれ感動し続けているうちに気がついたら2巡していました。いや~本当によかった。最近行った美術展の中でも出色のものでした。時間があればまた来て一日中見ていたいくらいです。皆さんも機会がありましたらぜひ!
さて、展来会の余韻に浸りながら、せっかく来たので近くの「しもつま温泉」に寄ってみました。「ビアスパークしもつま」というビアレストランやホテルに併設された天然温泉です。
入浴料は700円(JAF割引で550円)。内湯はこじんまりとしていますが、露天風呂は広くてきれい。なかなかいい感じでした。
近くに建物がないせいか、露天風呂の周りに見えるのは樹木くらい。聞こえてくるのもお湯の落ちる音とカラスの鳴き声だけ。なんだか群馬や長野の温泉旅館に居るような気分がしました(笑)。
春か秋にまた来てみたいものです。その時は地ビールも!
(2014.01.24)