知人の演奏会で上野の東京文化会館に行ったのですが、近くの上野の森美術館でちょっと変わった展覧会がありました。
◆日が陰ってきた頃の上野の森美術館
金魚の写真に見えますが「絵師」ということは絵画?
先月見た「上田薫とリアルな絵画展」のような写実作品なのかと思ったのですが入ってみると驚きました。
最初に展示されていたのはお酒の升に入った金魚。
◆金魚酒(連作)
リアルな金魚のフィギュア(立体)を花びらと一緒に透明樹脂で固めたものかと思いきや、これ全部平面に描かれた作品。
ぐっと近づいて見ると微かに筆のタッチなどがわかるのですが、言われなければ絵とは気がつきません。
いったいどう描いているのかというと、透明な樹脂を何ミリかの厚さで固めてまず部分的に1枚目を描く。その上からまた樹脂を流し込んで固めて2枚目を描く。それを繰り返すというのです。
透明なガラス板に描いた絵を何枚も重ねて上から見ると立体的に見えるというイメージでしょうか。
→ 制作過程の動画はこちら
作者の深堀さんはこれを3Dならぬ「2.5D Painting」と表現されています。
発想が素晴らしいですね。
◆たらいの中で泳ぐ金魚の群れ!
◆いったい何層になっているのか?紅葉と金魚が凄い。
◆これはあえて平面的アニメ的に描かれたもの。
この他にも純粋な平面作品や様々な素材を使って製作されたものなど多数。
「金魚」だけで構成された展覧会なんて初めてでしたがいろいろ発見がありました。
(2022.01.05)