2012年5月4日
吹田市は本年度と来年度にわたる地域雇用創造推進事業による雇用拡大プロジェクトをスタートさせた。「雇用拡大」「人材育成」「就職促進」の三つのメニューによるセミナーを2年間で約480回実施し、約400人の雇用創出を目指す。総事業費は2年間で約1億4500万円。
吹田市内の事業所の経営者らを招き、起業の心構えなどについて伝えるセミナー
同事業は厚生労働省の募集、採択する委託事業。雇用拡大プロジェクトのテーマは、「未来を支えるチャレンジャー育成の都市の創造」。起業家を育て、地域産業として発展させるのが狙い。
2006年と09年の国の調査をもとに同市が算出した市の起業率は15・2%となっており、全国平均の9・9%を上回っているものの、廃業率も20・0%と全国平均(17・3)を上回っている。こうした中、起業者が市内で安定的に事業を継続していくための支援が課題となっていた。
プロジェクトの実施に向け昨年10月、同市、吹田商工会議所、NPO法人「江坂-起業家支援ネットワーク」など5者で「すいた地域雇用創造協議会」を発足させた。企画や準備を進める中、地域の特性を生かすため、起業支援のほかに市内産業の中で高い割合を占める卸売業の活性化にも、重点を置いている。
セミナーのうち「雇用拡大メニュー」では、経営基盤の強化や事業拡大、新商品開発などを、また「人材育成メニュー」で、起業のための資金調達、事業戦略、顧客獲得、卸売業分野におけるマーケティングなどをテーマに、それぞれ必要な知識やノウハウを提供する。
このほか「就職促進メニュー」として、合同就職面接会など、同プロジェクトで育成された人材と地域産業を結ぶ機会も設定する。
初回のセミナーが4月に同市内で開かれ約20人が参加。「100人の社長が語る経営とは」をテーマに、市内の事業所の経営者らが企業の際の心構えなどをアドバイス。受講生からは「独立してからの営業活動のターゲットの絞り込み方は」などの質問が、寄せられていた。
市地域経済振興室は「雇用拡大、起業支援、人材育成を一体的に進め、人材と地域産業をマッチングさせることが重要。多くの人にセミナーを受講してもらい、雇用創出につなげたい」としている。
セミナーに関する問い合わせは電話06(6170)3751、同協議会へ。