
待機児童が2016年度当初に初めて生じた京都府向日市が、17年度の保育所入所の申込書配布を11月から1カ月前倒しで始めたところ、昨年を上回るペースで入所希望者が受け取りに来ている。今秋の新保育所開設でも市内の待機児童は解消に至らず、マンション新設を控えて来年度も保育所事情が切迫しそうだ。
■入所希望者は昨年上回るペース
書類配布(申込期間12月14~16日)は7日始まり、受け取り人数は29日正午までの23日間で233人。昨年は配布期間約40日間で238人だった。市子育て支援課は「本年度当初の待機は求職中の人ばかりだったが、来年度の情勢はより厳しくなるかもしれない」と見通す。
申込書配布の前倒しは、入所可否の通知を来年2月上旬に1カ月繰り上げ、待機の際、保護者が対応策を考える期間を長く取るための措置だ。
市によると、4月1日の国基準の待機児童は6人(潜在的待機児童を含めると13人)。12月1日では39人(同72人)に達し、昨年10月時点の11人(同23人)と比べて大幅増。大半が0~2歳児という。
今年11月、同市寺戸町の阪急洛西口駅東側で民間保育所が新たに始まったが、入所申し込みが64件あり、保育士人員を要する0歳児に集中した結果、28人が待機となった。
来年3月には同駅東側に新築された約400戸のマンションで入居が始まる。市の説明では、申込書を受け取った中には、市外からの転入予定者が既に39人含まれている。
市は10月、昨年3月に示した人口推計を改めた。今年4月時点で2852人だった0~5歳児が、19年度には3071人に膨らむとし、従前から400人余を積み増した。同課は「長期的には少子化が見込まれ、単純に保育所を増やしても将来、無駄になりかねず、見極めが難しい」とする。
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長岡京市と大山崎町も新年度の保育所入所の申込書配布を始めた。両市町とも12月に受け付ける。
【 2016年12月04日 20時30分 】