京都府向日市の福島支援グループ「ミンナソラノシタ(ミナソラ)」の活動を応援する動きが、乙訓地域の企業の間に広がっている。ミナソラが主な活動資金としてきた府補助金は本年度、打ち切られる可能性が高い。子育て中の母親らが「福島の役に立ちたい」という純粋な思いで立ち上げたミナソラを、今度は地元を中心とした企業が支えていく。
■福島支援、メンバーの熱意に広がる絆
ミナソラは2013年にまこと幼稚園(同市鶏冠井町)の保護者を中心に結成された。福島では放射能汚染を懸念して子どもの外遊びを制限するケースもあり、ミナソラはオリジナルグッズの販売収益や寄付金を活用して砂場を提供したり、福島の親子と交流したりしてきた。
「メンバーの熱意を感じたし、心に響いた」と話すのは、乙訓にも店舗展開する医療品販売会社のキリン堂(本社・大阪市)総務部顧問島田幾雄さん(62)。
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昨年11月、大阪NPOセンターが主催した「ソーシャルビジネスプランコンペ」でミナソラの活動を知った。島田さん自身も福島でボランティア経験があり、「会社を巻き込んででも支援しなければ」と使命感を抱いた。
今後はミナソラが必要とする資材購入費を援助するほか、取引先にオリジナルグッズの購入を勧めるなど地道な活動も行っていく。
グッズ販売を支援するサポーターショップも増えている。マルヤス、Books&Cafe wonderland、museum、京料理松長、リンデンに続き、今夏加わったのが自動車ディーラーのホンダカーズ乙訓。店内の一角にグッズ販売スペースを設けたほか、顧客約3千人にミナソラの情報入りのチラシを郵送するなど「宣伝部長」も務める。
社長の川村啓介さん(55)は「何か社会貢献しなければいけないと考えていたところに(ミナソラから)話をもらった。これも何かの縁。人のつながりがなければ商売は成り立たない」と話す。
ホンダカーズ乙訓など複数の企業とミナソラを引き合わせたのが京都信用金庫滝ノ町支店長の小倉光雄さん(49)だ。昨年10月に同信金が主催した商談会でミナソラと企業の商談が不成立に終わったことを気に掛け、以来企業との「橋渡し」を担っている。
「社是にも『地域との絆づくりを大事にする』とあるので…」と支援の理由を説明する一方で、「子育てや仕事で忙しい母親たちが自分たちの利益を考えずに頑張っている。ミナソラを応援すると気持ちいいんです」とほほ笑む。
このほか、ハウスメーカー「リヴ」もミナソラの支援を検討している。
ミナソラ代表の林リエさん(38)は「支援いただいている皆さんには本当に感謝している。福島の親子との絆を絶やさないため、細く長く活動を続けていきたい」と話している。
【 2016年08月21日 20時00分 】