
京都府長岡京市は29日、認知症で行方不明になった人の早期発見につなげようと、近距離無線通信「ブルートゥース」を活用した見守り事業の説明会を同市長法寺の多世代交流ふれあいセンターで開いた。市内の自治会長や民生児童委員ら約20人が参加し、新たな取り組みについて学んだ。
市では事業の運用を2月下旬に始める。このため、認知症で行方が分からなくなった人を捜す際に重要な役割を担う地域住民に事業を知ってもらい、協力を求めるために開催した。市によると、ブルートゥースを活用した見守り事業は全国初。
ブルートゥースの信号を発信するタグは、縦3・5センチ、横2・3センチ、厚さ6ミリと、小型で持ち運びに適している。認知症の人の靴に縫い付けたり、ベルトや財布などに入れたりできる。電池も2年間使用できるという。
信号の受信機は全国で見守り事業を展開する阪神電鉄(大阪市)が、市内18カ所に設置する。また、専用アプリをインストールすれば、スマホやタブレットも受信機となる。
信号は15~30メートルの範囲で受信可能で、感知すると場所や日時、個人情報などがサーバーに送信される。いつ、どこを通ったかが分かり、探しやすくなる。
説明会で市高齢介護課は概要を参加者に説明し、「まち全体で見守る体制にしたい」と協力を呼び掛けた。
この後、受信機が設置されている近くの市施設で実演があった。タグを持った市職員がそばを歩くと、サーバーとなるパソコンの画面に受信日時が表示され、参加者が熱心に見入っていた。
市はタグを200個用意し、認知症の人やその家族、一人暮らしのお年寄りなど希望する市民に2年間、無料で貸し出す。
【 2016年01月30日 10時49分 】