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子育てを地域で応援する「向日市ファミリーサポートセンター(ファミサポ)」が開設から10年となった。保育支援を受けたい人(依頼会員)とサポートしたい人(援助会員)を結ぶ橋渡し役を務め、地域の中で支え合う子育ての実現に取り組んできた。昨年度は利用件数が初めて千件を超えた。
ファミサポは2003年3月、京都府向日市寺戸町の保健センター内に開所した。
依頼会員の対象は市内在住・在勤で生後2カ月からおおむね10歳までの子を持つ人で、援助会員は子育てを手伝いたい市民が担う。両方の会員になることもできる。利用料は1時間あたり月曜~金曜の午前7時~午後8時が700円、土日曜・祝日・午後8時以降は800円。兄弟姉妹の場合、2人目からは半額になる。
設立当初の会員数は依頼98人、援助83人、両方4人だったが、昨年度末には依頼400人、援助134人、両方28人まで増加した。利用件数も年間148件から同1117件と大幅に伸び、つながりの輪が広がっている。
利用の理由は「保護者等の短時間・臨時的就労」「学童保育の迎え」「保育所・幼稚園の迎えと帰宅後の預かり」などが多くを占めるといい、依頼会員からは「地域に支えられ子育てができ幸せ」「子どもの機嫌が悪い時も上手に接してくれる」と好評だ。
一方、ファミサポは会員の交流会開催や年2回の情報誌発行のほか、援助会員を志望する市民向けに「子育てサポーター養成講座」も催している。
今月10日の講座では、元市立保育所長で援助会員でもある山室睦美さん(76)=寺戸町=が「子どもの発達とかかわり方 乳児編」をテーマに、自身が子どもを預かった経験などを語り、約20人が聞き入った。
核家族化や近所付き合いの希薄化が進む中で、過剰な育児情報に戸惑い、不安や心配を抱える保護者は多い。ファミサポの真継由美子所長は「まず話を聞き、教えるより待つという姿勢を大切にして信頼関係を築いていきたい」と話し、山室さんは「お母さんから相談してもらえるようなサポーターになってほしい」と期待する。
開設以来、事故はなく、今後も職員がこまめなフォローを心掛け、依頼と援助会員相互に負担がかからないような仲介を目指す。市子育て支援課は「10年間無事に続けられたことは大きな成果。依頼会員の人が援助会員にもなってくれる仕組みづくりも考えたい」としている。依頼会員の登録はいつでも可能。問い合わせは向日市ファミリーサポートセンターTEL075(932)7831。
【 2013年06月19日 10時19分 】