向陽、乙訓、西乙訓の京都府立高3校は、今春の進路実績をまとめた。大学進学率は乙訓高が上昇したが、向陽高と西乙訓高が下降し、3校平均では59・4%と前年度に比べて1・1ポイント減少した。府立高全体の平均53・0%は上回った。短大は1・0ポイント増の9・0%、専門学校は3・2ポイント増の20・5%、就職は4・7ポイント減の3・8%だった。
向陽高は卒業生227人のうち大学進学が11・5ポイント減の49・7%。主な合格先(延べ人数)は国公立が京都府立大、京都市立芸大、大阪府立大など延べ6人。私立が関西大17人、京都産業大15人、追手門学院大13人など延べ190人で、「関関同立」は延べ33人だった。
昨春は大学合格が延べ277人と好調だっただけに、同高は「見劣りは否めない。学習合宿や進学補習など対策は打っているが、最近の生徒は早く楽になりたいためか、進学先を安易に選ぶ傾向がある」と課題を上げる。来春に向けては「将来進みたい道をしっかり考えて進学先を選ぶよう、きめ細かに進路指導する」と話す。
乙訓高は192人が卒業し、大学進学率は19・1ポイント増の65・1%と大幅アップとなった。主な合格先は国公立が京都府立大と北見工業大の延べ2人。私立は佛教大18人、龍谷大15人、京都産業大14人、関大12人など延べ150人で、「関関同立」は延べ19人だった。
同高は、今春の卒業生が入った3年前から、Ⅱ類1クラスと進学志向の強いⅠ類1クラスで、難関私立を目指したカリキュラムを組む「高大接続コース」を設けた。初めての結果について「土曜授業や朝の小テストなど地道な取り組みが実を結んだ」と手応えを強調し、「新3年生は模試の成績が良く、来春はさらに成果が見込める」と期待する。
198人が卒業した西乙訓高は大学進学が4・8ポイント減の65・1%だった。国公立は滋賀県立大4人、京都府立大2人、滋賀大2人など延べ17人。私立は京産大28人、関大19人、近畿大18人など延べ224人で、「関関同立」は延べ40人だった。
同高は、今春の卒業生から、2年生時点でⅡ類の生徒と進学志向のⅠ類の生徒を二つの特進クラスに再編成し、難関大学を目指す制度に変えた。大学進学率は下がったが、「制度変更の影響かはまだ分からない。国公立と関関同立の割合は例年並みだ」と説明。来春に向けては、教員でつくる進路検討会の頻度を増やすなどして進路指導の充実を図る。
京都市と乙訓地域の府立高の入試制度をめぐり、府教育委員会は生徒の住所地で合格校を振り分ける総合選抜の廃止を検討している。私学無償化の影響に加え、受験生が1校のみ志望する単独選抜に移行すると、乙訓地域の3高校も今まで以上に競争にさらされる。
近い将来の単独選抜への移行を見据え、向陽高は教員のプロジェクトチームを設けて対応を検討し始めた。今後、進学面での特色づくりに向けた動きが3高校で活発化しそうだ。
【 2012年04月27日 11時49分 】