
高齢者がファイルに近況を記し、コメントを付けて手渡しで回覧する「ねき寄って通信」に取り組む京都府向日市寺戸町の住民たちが、文面だけでなく、対面して交流を深めようと「オフ会」を始めた。ファイル上の話題を糸口に盛り上がったり、メンバーの体調を気遣い合ったりし、「元気がもらえる」と開催を楽しみにしている。
2月上旬、同市寺戸町の民生児童委員山本寿美さん(73)方に4人が集まった。「稀勢の里、横綱の化粧まわしがよく似合ってたわ」。大相撲に触れたファイルの文面を読み返し、おしゃべりが盛り上がった。
同町の二枚田と岸ノ下両地区に住むメンバーたちは山本さんの誘いに応じて昨年10月からファイルの回覧を続ける。いずれも1人暮らしで、回覧を通じて知り合った人もいる。
同通信は市社会福祉協議会がフェイスブックに着想を得て、地域の高齢者による情報交換や相互見守りを促そうと始めた。オフ会は山本さんが「紙で伝え合える情報はわずか。会って話して、仲を深めよう」と呼び掛けて昨年12月から開き、今回で2回目。
オフ会に参加する梶山千代子さん(80)は「ずっと働いていて、近所づきあいはなかったので、温かく迎えてもらえてうれしい。顔を見て、みんな頑張ってるんだと励まされている」と話す。
今後も定期的にオフ会を開催する計画で、市社協は「対面のつながりが生まれることで、見守り合いの輪に入っていることを深く意識してもらえたら」と期待する。
【 2017年02月09日 11時34分 】