認知症を地域ぐるみで見守る必要が高まるなか、京都府の向日市と長岡京市で25日、広域対応や情報通信技術を導入して、徘徊(はいかい)模擬訓練が実施された。
■声掛けや付き添い体験
向日市では、上植野町のイトーピア向日マンションで、同町の住民ら約80人が訓練に参加した。参加者は徘徊役に声を掛けたり、付き添って歩いたりして認知症患者に対する接し方を体験した。
マンション敷地内を歩き回る徘徊役の男性に、参加者は「何かお困りですか」と話し掛け、「家がこの辺にあるはず」と徘徊役が答えると、「一緒にお部屋まで行きましょう」と寄り添った。徘徊役を安心させるため、優しく腕を組んで歩く女性参加者もいた。
続いて、認知症患者が部屋を間違えた場合の訓練も実施。応対した参加者は丁寧に名前などを聞き、徘徊役を本来の部屋まで案内した。
この日の訓練では、行方不明者の情報を向日町署から2市1町の地域包括支援センター、市役所など関係機関にファクスで伝える態勢も確認した。
■ICタグも活用
長岡京市西部に住宅街として開発された高台西、金ケ原、こがねが丘の各地区でも、市や地元住民、民生児童委員らが共同で徘徊模擬訓練を行った。
このうち高台西地区では、京阪神の企業グループが開発した情報通信技術を訓練に活用した。認知症患者役の住民が電波を発するICタグを身に着けて地区を歩くと、地区内に設置したセンサーが電波を検知し、見守り役の住民に通過地点をメールで連絡。患者役を発見できた。
同地区在住で市介護家族の会事務局長の上岸敏則さん(63)は「技術の有効性は確認できた。アイデア次第でさまざまに応用できる。市にも導入を働き掛ける」と話した。
【 2014年02月26日 11時29分 】
■声掛けや付き添い体験
向日市では、上植野町のイトーピア向日マンションで、同町の住民ら約80人が訓練に参加した。参加者は徘徊役に声を掛けたり、付き添って歩いたりして認知症患者に対する接し方を体験した。
マンション敷地内を歩き回る徘徊役の男性に、参加者は「何かお困りですか」と話し掛け、「家がこの辺にあるはず」と徘徊役が答えると、「一緒にお部屋まで行きましょう」と寄り添った。徘徊役を安心させるため、優しく腕を組んで歩く女性参加者もいた。
続いて、認知症患者が部屋を間違えた場合の訓練も実施。応対した参加者は丁寧に名前などを聞き、徘徊役を本来の部屋まで案内した。
この日の訓練では、行方不明者の情報を向日町署から2市1町の地域包括支援センター、市役所など関係機関にファクスで伝える態勢も確認した。
■ICタグも活用
長岡京市西部に住宅街として開発された高台西、金ケ原、こがねが丘の各地区でも、市や地元住民、民生児童委員らが共同で徘徊模擬訓練を行った。
このうち高台西地区では、京阪神の企業グループが開発した情報通信技術を訓練に活用した。認知症患者役の住民が電波を発するICタグを身に着けて地区を歩くと、地区内に設置したセンサーが電波を検知し、見守り役の住民に通過地点をメールで連絡。患者役を発見できた。
同地区在住で市介護家族の会事務局長の上岸敏則さん(63)は「技術の有効性は確認できた。アイデア次第でさまざまに応用できる。市にも導入を働き掛ける」と話した。
【 2014年02月26日 11時29分 】