阪急西山天王山駅と直結する京都第二外環状道路(にそと)の高速バス乗り場「高速長岡京」(京都府長岡京市友岡4丁目)の利用に、陰りが見え始めている。バスの発着数、乗降客数とも一昨年秋をピークに減少に転じており、市はバス乗り場の機能向上を目指し対策に乗り出した。
高速長岡京は、市が設置し、2013年12月に阪急西山天王山駅と同時開業した。駅とバス乗り場がエレベーターで結ばれており、全国的にも珍しい高速道路と鉄道の「交通結節点」になっている。
開業当初の発着便数は、関東方面や北陸・甲信越方面などに1日18便だったが、15年4月には86便にまで増加。1カ月あたりの乗降客数も、14年1月は413人だったが、翌15年11月には5757人にまで増加した。
だが、その後はバスの発着便数、乗客数とも減少。今年4月のバスの発着便数は71便、同3月の乗客数は4662人となっている。「バスターミナルの改修終了で京都駅にバスが乗り入れやすくなったことや、想定したよりも利用客の伸びなかったことが原因ではないか」(市交通政策課)とみている。
そうした状況に市は今年3月、学識経験者や交通関係者を集めた高速長岡京バスストップ機能向上検討会議を設置。利用拡大に向けて対策の検討を始めた。
会議や利用者アンケートの中で浮かび上がってきたのは、バス乗り場や周辺環境の不便さだ。乗り場には風よけはなく、待合室も遠い。周辺に飲食店はなく、西山天王山駅の売店も午後6時に閉店する。
一方、バス事業者側は高速長岡京に立ち寄ることで発生するコスト増を負担に感じていることが明らかになった。現在、高速長岡京に立ち寄るバスは、いったん長岡京インターチェンジを出る経路になっているため、高速道路料金の長距離割引が適用されず、利用1回当たりの料金も再度徴収されてしまう。バス事業者へのアンケートでは「毎日の運行になると、(負担する)金額は大きくなる」といった意見もあった。
市は当面、バス乗り場の案内表示を分かりやすくする対策を講じるとともに、バス乗り場のPRに取り組む方針だ。だが、大規模ターミナルの京都駅に距離的に近いだけに、これまでとは違った知恵が求められそうだ。
市まちづくり政策室は「何も対策をしなければ、今後さらに利用が減少する可能性もある。駅と高速道路の結節点というメリットを最大限生かした対策を早めに手を打っていきたい」としている。
【 2017年07月27日 10時45分 】
高速長岡京は、市が設置し、2013年12月に阪急西山天王山駅と同時開業した。駅とバス乗り場がエレベーターで結ばれており、全国的にも珍しい高速道路と鉄道の「交通結節点」になっている。
開業当初の発着便数は、関東方面や北陸・甲信越方面などに1日18便だったが、15年4月には86便にまで増加。1カ月あたりの乗降客数も、14年1月は413人だったが、翌15年11月には5757人にまで増加した。
だが、その後はバスの発着便数、乗客数とも減少。今年4月のバスの発着便数は71便、同3月の乗客数は4662人となっている。「バスターミナルの改修終了で京都駅にバスが乗り入れやすくなったことや、想定したよりも利用客の伸びなかったことが原因ではないか」(市交通政策課)とみている。
そうした状況に市は今年3月、学識経験者や交通関係者を集めた高速長岡京バスストップ機能向上検討会議を設置。利用拡大に向けて対策の検討を始めた。
会議や利用者アンケートの中で浮かび上がってきたのは、バス乗り場や周辺環境の不便さだ。乗り場には風よけはなく、待合室も遠い。周辺に飲食店はなく、西山天王山駅の売店も午後6時に閉店する。
一方、バス事業者側は高速長岡京に立ち寄ることで発生するコスト増を負担に感じていることが明らかになった。現在、高速長岡京に立ち寄るバスは、いったん長岡京インターチェンジを出る経路になっているため、高速道路料金の長距離割引が適用されず、利用1回当たりの料金も再度徴収されてしまう。バス事業者へのアンケートでは「毎日の運行になると、(負担する)金額は大きくなる」といった意見もあった。
市は当面、バス乗り場の案内表示を分かりやすくする対策を講じるとともに、バス乗り場のPRに取り組む方針だ。だが、大規模ターミナルの京都駅に距離的に近いだけに、これまでとは違った知恵が求められそうだ。
市まちづくり政策室は「何も対策をしなければ、今後さらに利用が減少する可能性もある。駅と高速道路の結節点というメリットを最大限生かした対策を早めに手を打っていきたい」としている。
【 2017年07月27日 10時45分 】