
京都府大山崎町大山崎のスーパー「大国屋大山崎店」が昨年8月に閉店し、周辺ではお年寄りらが食料品や生活必需品の買い物に不便を感じている。地元の鏡田地域ではこのほど、切実な状況を把握しようと住民アンケートを実施し、その結果をもとに移動店舗によるサポートで打開の道を探ろうとしている。
■68%「代替店が絶対必要」
アンケートは、昨年11月に実施した。全336世帯のうち、67・5%に当たる227世帯が回答した。
「大国屋を利用していた」のは98・2%でほぼ全世帯。頻度は「週に2~3回」が47・6%で最多だった。
「大国屋の代替となる店舗が必要か」との問いには68・3%が「絶対必要である」と答えた。一方、代替手段として、通販やインターネットなど宅配サービスの利用についての質問では、「利用したことがない」が42・3%と最も多かった。
自由記述欄には「生鮮食品を買える場所が必要」「高齢者が多いので、歩いて行ける店が要る」といった意見があり、日常的な買い物に困っている地域の実情がうかがえた。
現在、町内のスーパーは同町円明寺にある1店舗しかない。同連合会は昨年の大山崎町議会9月定例会で、高齢者の足となる巡回バスの運行を求める陳情書を提出している。
■体験会好評で毎週販売へ
アンケート結果を受け、鏡田自治連合会は1月27日、同地域の集会所付近にある空き地で初めて、京都生協(京都市南区)の移動店舗による買い物体験会を実施した。お年寄りを中心に多くの住民が訪れ、車内で生鮮食品などを品定めした。
移動店舗による販売は、京都生協が昨年8月、洛西ニュータウンなどで運営をスタートした。生鮮食品や総菜、日用品など約750品目がトラックの車内で購入できる。
当日は、販売開始前から30~40人ほどの住民が集まった。担当者から商品や販売方法などの説明を聞いたり、車内を見学したりした後、3~4人ずつ車内で買い物した。
体験会に来ていた阪東富士雄さん(79)=同町大山崎=は「肉や魚など生ものが買えていい。大国屋がなくなってから、冷凍食品を買ったり島本町まで自転車で行って買い物をしていたので助かる」と笑顔を見せた。同連合会の藤原和正会長(42)は「たくさんの住民から『うちの地域の買い物はどうなるのか』と不安の声を聞いていたので、ほっとしている。利用者が一定数いることが継続の条件になるので、定着してほしい」と期待を込める一方、「大国屋跡の新店舗誘致についても、引き続き町と協議していきたい」と話した。
移動店舗は、毎週水曜の午前11時15分から2時間、24日からは同地域内の2カ所で販売を行う予定。
【 2016年02月09日 10時30分 】