歌人・辰巳泰子の公式ブログ

2019年4月1日以降、こちらが公式ページとなります。旧の公式ホームページはプロバイダのサービスが終了します。

屋上遊園

2023-04-29 13:07:32 | 日常
国道沿いにしゃれた感じの建物ができていたのを、散歩してて見つけました。夜になると、植え込みのフットライトが妖しいの。建物には高級店も入っているけれど、回転寿司屋が入ってて、そこに行ってみました。回転寿司って、久しぶり。お醤油のミニボトルを持参しました。

感想は、特段美味しかったわけではないけれど、家族は食欲に火がついたようで、長患いをするあいだ、目にすることのなかった表情を見せてくれました。外食の、たのしかったことを思い出したと……。歳月が経ってしまって、ガシャポンで遊ぶ年齢でなくなりました。そして、店を出て、バルコニーから国道を見下ろしながら、いうんです。

「ここって、テーマパークに成り損ねたみたいな建物だよね。」

お店を出たところの、箱庭のようなこの感じ。昔のデパートみたい。昔、デパートの屋上は、小さな遊園地になっていました。ディズニーランドへ連れていってやれたりしないから、入園料のいらない屋上遊園で、よく遊んだなぁって。

また行くかといえば、もう行かないんだけれど、懐かしいものの佇まいに、言葉がひっこんでしまいました。

バルコニーからの眺めは、殺風景な国道沿いだけれど、多摩川を越えて山を越えたら、この人を産んだ町です。実のお父さん……小紋さんと三人で何年か暮らして、それから、育てのお父さんとこの町で何年か暮らして、また、この人と二人になりました。

いつも私ひとり、わるものになってきたんだけれど、そんなことどうでもいいと思うぐらい、夢のように過ぎました。

そもそも暮らせる場所のあったことが、夢のようでした。

人生は、どうしてもさようならできなかったものが、手許に残るだけなのかもしれません。







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寒波のハプニング

2023-01-25 18:51:17 | 日常
昨夜のことでした。

「大寒波が列島に襲来する……!」というので、外付けの配水管をタオル地で巻くとか、蛇口から水を出しっぱなしにするとか、追い焚き機能で浴槽の溜め水を常時温水にするとか、あちこちのサイトにまことしやかに書いてあること、そのどれもやんなきゃいけないのか、併用できないやり方だったりしないか、水道の凍結防止のあれやこれやを試行錯誤しているところ、わが家のベランダのすぐ隣にある、外付けのむきさらしの踊り場で、鳩が、鳥害防止に自治会で張り巡らせてあった網に、閉じ込められているのを、家族が発見……!

もう真夜中でした。
外には、凄まじい強風が吹きつけていました……。

寒波が来ると聞いていたけれど、台風が来るとは聞いていないぞというほどの、強い風。その吹きさらしに、キジバトがたった一羽、網に囲われた吹きさらしのエリアから、出られない。


その踊り場は、原則閉鎖されているため、私たちがすぐ隣にいるのに、こちらのベランダから目視できるのに、助ける手だてがありません。調べてわかったのですが、そもそも、野鳥を捕獲するのって、鳥獣保護法違反なのですね。自治会の網を切ったりしたら、器物損壊になってしまうし、もう、どうしたら。

それでね、こちらのベランダから、手を伸ばし、なんとか網をぐいと引っ張って、ギリギリ通れそうな脱出口を作ってやりました。あとは、鳩さんが気づいてくれるのを待つしかない……。

これね、凍結防止のあれやこれやの作業も鳩さんの脱出口作りも、私がやりました。家族は、何かもう、いろいろ言って、日付が変わればグースカ寝とる……!

私はさ、凍結防止、いろいろ試みたけれど、うまくいくかなぁ、そのうえ鳩さん凍死しないかなぁ、あすも仕事なのに、とても、眠れたものではありませんでした。

どうなったかって……。

眠くなる作用のお薬を飲んで無理やり寝つきました。朝、グッグッ、グッグルと、鳩さんの仲間の声がして、燦々と注ぐ朝日のなか、私も目が覚めて、カーテン越しに、作ってやった脱出口から、見事、鳩さんの脱出するシルエットを拝むことができました。

水道管は、凍結しませんでした。これも、朝日のもとで見ると、建付けの当初から、外付けの配水管には凍結防止の養生をしてありました。ということは、お風呂に温水の溜水をして、蛇口から水を出しておきさえすれば、わが家は、寒波には強いのだ……!

私はさ、閉じ込められた鳩さんが、死んでいたらどうしようって……一晩中、あたまがおかしくなりそうでした。

そんなこんなで、とても疲れました。





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二つのお知らせ

2023-01-20 22:31:19 | 日常
直近の、二つのお知らせをまとめますね。


一つめ。

今年は、角川『短歌』の読者歌壇の選者をします。
通年ではなく、いくつかの月号を担当するので、担当の月号が迫ってきたら、またあらためて告知いたしますね。
角川『短歌』は、全国、津々浦々の書店で購入できます。
短歌コーナーのある書店なら、常時、書店の棚にあるでしょう……多分。



二つめ。

「HTML言語を使ったホームページの編集方法について」というタイトルのついた、直近の記事を削除したのですが、「HTML タグ一覧」で検索すると、もっと、具体的にわかる記事が、ほうぼうでヒットするでしょう。私のへたな説明よりも、検索を示唆するほうがいいかな、と思った次第。



以上です。




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明けまして……

2023-01-01 10:07:02 | 日常
おめでとうございます。

今年の年越し蕎麦は、柚子おかめそばでした。

昆布と乾椎茸と煮干でガッツリだしをとり、仕上げは市販だしと柚子の皮で調えました。
よく味を含めた金時人参と戻した乾椎茸、ほうれん草、関東の白ねぎ。
そばは乾麺ですが、乾麺で十分ですよ。
半生タイプは添加物が多いです。




さて、今年のおせち料理は、ここ数年、煮物はいらないなどの家族の好みもあって、食べないものを作らない方向で、雑煮と、かまぼこの飾り切りをたのしむのみとなりました。家族はもう、教育的配慮の行事食を食べさせたい年頃でもないし……。



さて、かまぼこの飾り切り。
じつは、とても、奥が深いのです。
目で見てたのしむだけではありませんよ。
かまぼこは、切り方で食感や味の含みに変化のある食材。

もう、おでんや煮物をこしらえるなら、かまぼこは、切って結ぶタイプの、この切り方で。
汁物の小口には、日の出に切るのがよさそう。
簡単で美しいのは、断然、孔雀。
酒肴には、ハモの焼きかまぼこを市松(いちま)さんに切ると、つまみやすいし食べやすい……。
焼きかまぼこ市松さんのあいだにチーズを挟んだら、格別の酒肴となりましょう。


切り方で味の違いをたのしめるのは、胡瓜やイカもそうですね。
胡瓜は、しんなりするか、シャキシャキするか、だしの出方も変わってきます。
小口に切った胡瓜を、夏場、冷たい汁の実にするのは、素晴らしい涼となりますし、イカは、繊維に沿って切るか繊維を断つかで、のどごしや、モチモチ感が違います。

飾り切りは、目で見るためのものだけれど、目で見ることだけに囚われず、その切り方ならではの食感、味の含みを生かすことで、日々が豊かになると思います……!




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そろそろお正月

2022-12-31 22:18:39 | 日常
今年一年、おつかれさまでした。

うまく作れたときの写真がどっかいったけど、そろそろお正月なので、料理写真をアップしておきます。ここ数年の、めでたいときにこしらえました。
単なる賑やかしなので、キャプションは無し。


   







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冬の花火

2022-12-27 23:08:05 | 日常

小紋さんは、花火がとても好きやった。
私も息子も、音に驚いて知ったけど、きょう、近くで花火があがってた。
誰もそれとは知らないで、あなたの祥月命日に、冬の花火があがってた。

小紋さん、天国から、地上の花火を見たのかな。

小紋さんが、亡くなる前に、九州の歌人として大きな賞をもらったことが、私はとてもうれしかった。

若き日、青春の戯画。

小紋潤よ。
あなたはきっと、あなたの息子のそばにいますね。




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近況報告(再告知あり)

2022-12-04 15:29:36 | 日常
家族の新生活サポートが一段落しました。

なにぶんにも時間が経ってしまいました。古い投稿は、もう後ろへ行ってしまったので、当座、「鬼さんノート」は、始めのものから連番をふり、新規投稿していくつもりです。

歌人として、いわゆるプロデビューから数えても、三十年以上の月日が経ちます。『紅い花』は、いまも若い人に読まれています。

リキュールの話もいったん終わりです。鬼さんノートをつづけなければ!

最後に、再告知。

ただいま発売中の、角川「短歌」12月号に、文章を書いています。中級以上の実作者向け、レクチャー記事ですが、表現者としての精神論を書きました。

発売中ですので、ただいま書店で入手できますので、ご購読ください。

すでにご購読の皆さん、ありがとうございます。

お金ないひとは、図書館で注文してね……小声でいうけど、借りて読んでもいいよ……名指しで愛してね。

やはり、歌人としての表現物にあたってほしいし、表現物を愛されたいのです。





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手作りジャムとあんバターと賄い料理と

2022-11-26 17:42:17 | 日常
ラ・フランスの自家製リキュール、そろそろ果肉をとりだす頃合い。



エキスの浸出が終わりに近づくと、写真の奥の瓶のように、果肉が沈んできます。
ウオッカの海で、なんとか形を保っていますが、とりだすと、まな板の上に載せただけでずるっと崩れ、妖しい香りが漂いました。
ちなみに、手前の瓶は、柚子のリキュール、仕込み始め。

ラ・フランスのリキュール本体は、まだ薬液のようで、子供の頃、内科の医院で調剤されたシロップの甘みを彷彿とさせます。まろやかになるまで、あとひと月は寝かせないとね。

そして、真夜中の台所で、どろどろに溶けた果肉をさらに解体。こんなにたくさんどうしようと思ったのに、水分が多いのと、果肉じたいに甘みが強いので、追い砂糖しなくても煮詰めただけで、小瓶ぐらいのわずかな量のジャムになりました。




写真は、上が、あんバター。下が、クリームチーズとラ・フランスのジャムを挟んだミニフランスパン。それから、生食用に、シルバーベルをいただきました。洋梨は、バートレットが国内栽培の元祖らしいけれど、シルバーベルは、新しい品種。ラ・フランスの自然交雑種だそうで、酸味にキレがありました。

洋梨は、明治人の祖母が90歳近くなり、寝たきりとなって意識が薄れてからでも、薄くスライスすれば口腔摂取できたので、洋梨を見ると、祖母のことを、とても思い出します。

そんなこんなで、ジャムとおやつ作りが、今週の休日イベント。好評を博したので、あすは読書に専念できるね。


そして、家刀自としては、じつは、これが白眉なのだ……。



ミニフランスパンの残りで、クリームチーズと寒漬けをカナッペに。
寒漬けは、山口県のお漬物で、お弁当用に買ったのの、残り。
何もかも残り物でこしらえる、私だけの賄い料理。
煮炊きのお道具を片付けながら、立ったまま、頬張るのでした。





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今週のお弁当

2022-11-24 23:45:25 | 日常
この頃、ときどき、このブログの古い記事を読み返しています。
へたな英作文が恥ずかしくて、削除したりしています……時効の記事とかも。

今週のお弁当ですが、わっぱに入れたのは月曜のと金曜ので、その他の曜日は、おにぎりと一口おかず。

げつよう。だし巻き玉子、人参レモン煮。メインは、お肉屋さんのローストチキンをピーマンなんかと蒸したやつ。




きんよう。白菜と豚もも肉を、かまぼこと柚子も入れてとろとろに炊いたやつ。ミックス青菜とインゲンの胡麻和え。味玉。自家製紅ショウガ。ごはんには白梅酢が混ぜてあるので、ほんのりピンクです。


じつは、きょうが金曜で、日付が変わったばかりなのに、もうお弁当ができています。深夜の製作、駅弁みたい。月曜のは、当日の朝にこしらえたけれども。

冷蔵庫の野菜室で、出動待ち。

寝つきのとてもよくない家族の睡眠リズムを妨げないよう、製作時間帯を試行錯誤しています。

朝に支度したいですけれど、まだ道険し。 
冬場でよかった……。
火入れについては、厚生労働省が仕出し屋さんに向けて発信している、食中毒防止マニュアルを参考にしています。 

朝に作りたい……。



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戦争と平和(ぼやきのつづき)

2022-11-22 12:00:40 | 日常
なんにせよ、昨今は、すっかり右傾化していますね。
左翼的な気分が過激化した時代の反動形成が、世相不安とあいまって、ここまできてしまった気がします。

勢いだけで動いていくものが、なんだか恐ろしい。
それはつまり、うさはらし、なのだと思う。
石をぶつけていい対象として、政治主導で名指ししていく、それこそが、ナチスのとった手法でした。

その時代の強いものの勢いを借りて、大衆に混ざって石をぶつける。
右だろうと左だろうと、私はイヤだな。

いじめや偏見に染まらないように生きるのは、孤独なことだけれど、自分を信じられるようになります。
損目、損目に回るようでも、流れに押し切られない、確かな言葉が欲しいと、誰もが思うものだから。

それに、じつは、決して孤独ではないんですよね……。
おなじ想いでいる人が、どこにいるのか、誰なのか、わかるようになります。

このまま、思想が踏絵になる心配をするよりも、
精神の自由が保たれるように、踏絵にするような風潮をつくらないように、
伝え方を工夫をしながら、言うべきことを言う。

それが、大切なように思います。




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