歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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明月記

2020-06-21 22:53:19 | 月鞠の会
「明月記」についての資料の手配が、うまくいきそうな感じです。

コロナ関連の自粛や規制で、資料の入手が限られるかもしれないと思い、
なんなら新古今の恋の歌に絞ったエッセイでいいと思って、
「そのひとをいちばん好きだったときには」という仮題をあてがったのですが、
評論らしいものが書けそうな予感がします。

だとしたら、この仮題でないほうがいい。
新書か単行本のタイトルになっていい題名をあてがいたいし、20号に限らず、書き続けたい主題に出逢えそうな予感もあります。
書くとしたら、レトリック論ですが、
自分がこれまで評論の体を避けてきたのは、
創作者が論を書くと、そのものが、創作の縛りになってしまうからでした。

でももう、私には、時間がない。
始めようと思ったときに、始めておかないと、老いてからの準備では、遅すぎる気がします。

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そのひとをいちばん好きだったときには(新古今和歌集メモ)

2020-06-06 12:08:46 | 月鞠の会
このウインドウを、自分が「月鞠」20号に書く文章、「そのひとをいちばん好きだったときには」の草稿帖にあてがい、日々更新しましょう。
ツイッターの投稿コピペが主なので、時系列は、上が最新です。

辰巳泰子拝


6月5日のツイートから…………………………………………………………


「そのひとをいちばん好きだったときには」が新古今。「恋のあとに残ったもの思い」が古今。

新古今の恋の世界は、恋愛感情の最大値。古今の恋の世界は、恋愛感情の不変値に価値があるんだよ。

これが私の、死ぬ前にやっておくことになるのかどうかは、知らないけれど、私は、「恋の正体」について書く。新古今和歌集。

若いうちは、書きたいことがたくさんあって書く。私にはもう、書きたいほどのことまではない。書かなくなったらアカンと思って、自分を縛り付けて書くだけなのですが……。

私はコロナのあいだ。止まってた。というか、凍っていた。

空に高く高く高く投げて、落ちてくるまでのあいだ、たまたま世の中はコロナで不況と崩壊と大改造。たまたまなんやけど。

空に向かって高く高く高く投げたものが、自分の手に落ちてきた。それは、美しい願いのようなものではなく、執着であった。

執着やなぁって、受け止められた。

コロナを挟んで、「うん、それは執着」って、明快になったのが不思議でならない。完全に、考えるのを止めていたのに。

今年の初め頃から数えたら、もういくつ寝たやら……かれこれ半年も経ってる。そのあいだに、コロナが猛威を、、、

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恋の正体2(新古今和歌集)

2020-06-06 11:51:00 | 月鞠の会
1の続きを書きます。

月鞠の会の会員には、「月鞠」20号発行に向けて、会員各位に、特集題「恋の正体」として、「新古今和歌集」恋の部に係る評論もしくはエッセイを、20枚(8000字以内)、お書きいただきます。
切り口や文体は、自由です。小説ふうでもかまいません。
ご自身の文章の題は、各自で設けてください。
私は、題名を「そのひとをいちばん好きだったときには」とし、「古今和歌集」恋の部と比較しながら、編集者、藤原定家の美意識に迫ることができればと思います。

第一稿の〆切は、8月末日。
誌面発行は、年内を予定しております。

文章と併せ、会員の、他に発表の場や所属のある人は二十首、ほかに所属のない人は、五十首の新作短歌(連作)の提出を同時に求めます。
私は、月鞠の会を旗揚げしたときの、皆さんとのお約束のとおり、百首歌を書きます。
ビフォアーコロナとして、すでに「蹴速と辰砂」五十首を書きました。
これから、アフターコロナとして、五十首を書き始めますが、コロナを跨いでの百首歌になるとは、さきの五十首歌を書いた折には、想像もしませんでした。

それから、会員には、仕事をしながら病気療養中の方もおられます。
体調面で、またあるいは、環境面でご無理があるようなら、文章か作品か、どちらか一つで参加することもできます。
個別にご相談ください。

それでは、皆さん、よろしくお願いいたします。


辰巳泰子拝

2020年6月6日、2を記す。

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恋の正体1(新古今和歌集)

2020-06-06 11:23:46 | 月鞠の会
皆さん、お久しぶりです。
新型コロナウィルスの感染拡大で、世界が凍結した3月から5月、皆さんにも、さまざまに境遇や環境に変化がおありだったかと拝察いたします。
私のほうも、その変化への対応に追われて、生業にはなんとかすがりついてあるものの、
ライフワークである月鞠の会の活動を、休止せざるを得ませんでした。
「月鞠」20号は、特集題「恋の正体」として、「新古今和歌集」恋の部を特集します。
このことは、春先には決まっていましたが、
皆さんにお原稿をお書きいただくにも、図書館の開館がなければ、〆切の設定が困難でした。
感染拡大を阻止する緊急事態宣言は、今後も繰り返されるかもしれません。
それに伴い、コロナの波を、政治に利用する政治家が出現したりもするでしょう。
しかしながら、藤原定家は、「明月記」にこう記しています。

世上乱逆追討耳に満つといへども、これを注せず。紅旗征戎吾が事にあらず。

私たちは、選べる自由のある時代を生きています。
何において精神を解放するか。
私たちが、これこそが吾が人生であると感じる、そのアイデンティファイ……自己同一性は、精神を何において解放するかということに尽きます。
政争がどうでも、私たちは同時に、「吾が事」を、生きましょう。

辰巳泰子拝

2020年6月6日、1を記す

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