以前本ブログで、吸血虫ヌカカのことを書いた。山歩きでは、もう2度と刺されたくないと思って記憶に留めるために記事にしたのだが、またしてもその轍を踏んでしまった。
場所は志賀高原。標高2000mを越える稜線の樹林帯の中を通過中に、ヌカカの猛攻撃を受けた。はたいてもはたいても、10数匹が執拗に顔の周りを飛び回り、こちらのスキをついて、瞼の縁とか耳の付け根、髪の生え際など、防御しづらいところを狙って吸血する。防虫網の網目を通り抜けるほどに小さく、その行動はヤブ蚊などより素早く剽悍だ。凶悪この上ない。
樹林帯を抜け草尾根に逃れても、まだ数匹は追跡を諦めず、執拗に襲撃してきた。刺された後1週間も続く痒みと腫れの酷さは、ヤブ蚊の害の比ではない。
ヌカカの被害はこれで3回目になる。被害に遭った場所は、いずれもシラビソが生える標高2000m前後の樹林帯、季節は梅雨明け前後だった。
山にはほかにマダニ・ヤマビル・ブユなどの吸血昆虫や、スズメバチ、マムシなど警戒を要する生き物がたくさんいる。夏の山行では、これらへの対策を怠らないのだが、どういうものかヌカカに対してだけは、かつての惨禍を忘れ油断してしまう。この虫があまりに小さく、肉眼で虫の姿を明確に認識できないことが、その理由でないかと思う。
小さくて見え難いモノこそ、油断ならない。出来るだけクローズアップした画像を観て、その凶々しい形態を目に焼き付け、記憶に刻み込まなければ、同じ被害を繰り返すだろう。
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