「万葉の森公園」を2ヶ月ぶりに訪れた。
先ず「伎倍(きべ)の茶屋」で冷たい甘酒を飲み、身体を冷やしてから、ツクツクボーシが翔び交う園内に入った。
まだ陽射しは強いが、ムクノキの大木の陰に入ると、冷房中の屋内に居るような心地がする。
江戸時代、この木が街道の一里塚に植えられ、夏の炎熱に炙られた旅人たちを至福の日陰で憩わせていたことを実体験できた。
ヒオウギ・オミナエシ・フジバカマ・ハギなど、秋の草花を確かめながら散歩する。穀類のアワ・ヒエ・キビも稔りの時を迎え、穂を垂れている。
【ヒオウギ】
万葉の時代は「射干玉(ぬばたま)」と呼ばれていたらしい。
種子の色が黒く艶々していることから、黒とか髪とか夜に掛かる枕詞になったという。オレンジの花色からは夜を連想できない。
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【オミナエシ】
秋の七草のひとつ、オミナエシの黄色の散房花序は、やはり秋の野で最も目に付く。
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【マコモ】
春には1mにも満たなかったマコモの群落が青々と密生し、高さ2mにも育っていた。
わ畳が一般化する前の万葉時代には、このマコモを刈って(刈薦)、寝具・座具の材料として編み、利用していたらしい。
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【アワ・ヒエ・キビ】
イネ科の穀物が揃って穂を垂れている。
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【ケイトウ】
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【ケイトウ】
原産地はアジア・アフリカの熱帯地域と言われるが、奈良時代には既に渡来していたらしい。
私はこの花に心惹かれることが尠いので知らなかったが、万葉集には所載の句が4首もあるらしい。
韓藍(からあい)と呼ばれ、存外人気があったのだろう。たしかにエキゾチックではある。
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【丹波栗】
栗は縄文以来の栽培植物。熊もこれを好んで食べる。収穫期には、熊と人が遭遇することは今より多かったことだろう。
熊は食性が人に似ているので、親しみを感じる。お互いに補完し合って食を確保して来た仲である。
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【メダケ】
メダケ(女竹)の古語はナヨタケとか。たしかにオダケ(雄竹)よりも細く(2〜5cm)短く、ナヨナヨしている。
竹と呼ばれるが、分類上は笹の類だという。オダケは竹の部類。
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【ヤダケ】
これも分類上はササの仲間。
ヤダケを万葉の頃はシノダケと呼んでいたのだろうか?
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【フジバカマ】
秋の七草の中で、最も見栄えがしない草だが、3000kmを旅するアサギマダラがこの花の蜜を好むと知られてからは、栽培が盛んになった。
自らに無い華やかさを、アサギマダラを呼ぶことで補う相互関係、この仕組みは一体何を目指しているのだろう?
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