道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

小汚いジジイ

2020年08月23日 | 人文考察

これは妻が参加している習い事サークルで、休憩の合間に交わされた仲間内の話。

寡婦となって数年経つ60代のご婦人に、メンバーの比較的若い人たちが「〇〇さんも自由な独り身、ボーイフレンドでもつくったら?」と気軽に励ました。

そのご婦人の反応が面白い。
「嫌!嫌!もう・・私ぐらいの齢ごろの女の相手になる男は、皆小汚いジジイばかり!今更得体の知れないジジイの世話をして暮らすなんて、金輪際したくない!男はもう面倒くさい!」と宣った。その言葉に、女性たちは深く頷き合い、納得していたという。

願望や夢想と違って、将来寡婦になった自分たちに寄ってくるのは、おしなべて世俗に塗れた小汚いジジイばかりという厳しい現実認識に、一同粛然となったに相違ない。
(好いたらしいシニアなぞ居るはずもない・・・間違って若い時に一緒になった伴侶だから、なんとかジジイでも我慢できている・・・)

この話を妻から聴いた時は老生もまだ60代だったが、小汚いジジイの言葉は鮮烈に耳に突き刺さった。
(そうか、妻以外の女性から見れば、還暦過ぎの男というものは皆「小汚いジジイ」でしかないのか・・・)
いくらナイスシニアを気取ったところで、老いらくの恋など絵空事・・・^_^

自己を省察できない老人自尊心自負心ほど、小汚さを際立たせるものはない。肝に銘じておかねばならないと思った。
日頃面倒をかけてばかりいる妻が、格別に有り難く感じられた・・・



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2 コメント

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ジジイも“ハート”ではないでしょうか? (原左都子)
2020-08-29 11:39:17
「原左都子エッセイ集」著者の原左都子と申します。 この度は“フォロー”を頂きまして、ありがとうございました。
以前通っていたトレーニングジムで、よく声を掛けて下さる78歳の男性がいました。 とても気さくな方で、合うと話が弾んだものです。 あの方と仲良く出来たのは、とにかくマナーをわきまえて接して下さった故と思います。
そのジム通いを辞めて後お会いすることはありませんが、お元気でいて下さればと思い起こします。
“小汚い”のは私も好みませんが、年齢にかかわらず行きずりの良き関係を築くためには、やはりお互いに距離感やマナーが大事かと心得ます。
などと善人ぶっていますが、高齢域に達してもやはり“好み”って大事ですね。
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Unknown (tekedon638)
2020-08-29 12:33:51
コメント有難うございます。
歳をとると、マナーを忘れ距離感を忘れる傾向があるのですね。気をつけなけばなりません。
話が弾む良い関係は、結局互いに好ましい人同士でなければ築けず、それに寛容でない存在も、日本にはまだ多いように感じています。
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