道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

不誠実な政権

2022年10月10日 | 随想
戦後日本の政治が、明らかに国民に不誠実になった時期はいつ頃で、その契機は何にあったのだろうと考えてみた。

それは竹中平蔵氏という学者を重用した小泉純一郎政権が登場してからのことであるように思う。それに続く旧統一教会と昵懇だった安倍政権は、小泉政権の手法を踏襲した。

安倍政権の8年間は、小泉亜流内閣が敷かれていたと言えるし、安倍政権の官房長官で、記者団への不誠実な対応に定評のあった菅義偉氏が総理に成り上がった菅政権も、考え方といい手法といい、小泉亜流政権と見て差し支えないだろう。
この3人の首相による自民党政権13年の期間に、国民に不誠実な政治態様、つまり国会と国民を軽視する政治が定着したと考えられる。

小泉・安倍両氏と竹中平蔵氏とは、古代中国の王権のような人民無視の精神で貫かれ、強固な連帯感を共有していたのだろうか?
皮肉なことに「純ちゃーん」と、戦後の国民に最も人気の高かった小泉純一郎氏が心中深くに秘めていたものは、国民への無関心だったと推測できる。

小泉氏の郵政民営化はブレーンの竹中氏の政策提言によるものだった。
この時小泉氏のとった反対派潰し、党を壊してまでも政策を断行すると大見得切ったパフォーマンスに、官房副長官として政権内に在った安倍氏は、その国民軽視ぶり、自己中心ぶりに、陶酔したことだろう。

安倍政権になってから、自民党は自党への投票者しか国民と見ていないかのような態度を露骨に示すようになった。
それは自民党の集票の思想と構造(旧統一教会の関与)とが確立し、政権維持に自信を強める時期と時を同じくしている。

集票組織が多様化し拡大したことは、政権専横の大きな要因である。従来の企業経営者団体、商工業者団体、農林水産業団体の三本柱に、連立を組む公明党の母体創価学会という宗教組織がある。それ以前から、カルト系宗教団体「旧統一教会」の、選挙運動への広範で献身的な尽力があったことは、党と候補者にとって、絶大なバックアップであったことだろう。

斯くして、国民に国会に不誠実な政権は、長期に亘り、日本の政治を支配し続けた。それを歓迎する投票者が多数を占めていたことは、間違いない。






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