まず『ジェノサイド』の定義をwikiから引用したので見ていただきたい。
『1.集団構成員を殺すこと
2.集団構成員に対して、重大な肉体的又は精神的な危害を加えること
(拷問、強姦、薬物その他重大な身体や精神への侵害を含む)
3.集団に対して故意に、全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を課すること
(医療を含む生存手段や物資に対する簒奪・制限を含み、強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
4.集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること
(結婚・出産・妊娠などの生殖の強制的な制限を含み、強制収容・移住・隔離などをその手段とした場合も含む)
5.集団の児童を、他の集団に強制的に移すこと
(強制のためのあらゆる手段を含む)
同条約第3条により、次の行為は集団殺害罪として処罰される。
集団殺害(ジェノサイド)
集団殺害を犯すための共同謀議
集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆
集団殺害の未遂
集団殺害の共犯
通説では、集団の全部または一部を破壊する意図があれば足り、いかなる手段や動機・目的・理由付けによるかは問われないとする。また、行為の主体にも限定はなく、客体の人数にも限定はないとされる。
「民族浄化 (ethnic cleansing)」もこれに含まれる。
なお、ソビエト連邦を始めとする共産圏の主張から、「社会階級的、政治・イデオロギーまたは文化的な集団の全部又は一部を破壊する意図をもつて行われた行為」は条約の定義から除外された(階級闘争が「資本家階級に対するジェノサイド」とみなされるおそれがあるため)。
旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所規程第4条2項並びに、国際刑事裁判所規程第6条には、ジェノサイド条約第2条と同様の規定があり、「集団殺害」について定義されている。』
🔸 🔸 🔸
これは1948年に国連で採択されたジェノサイド条約の定義だが、国民的、民族的、人種的、宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる上記のような行為と定義されている。
つまりナチスのホロコーストの大量虐殺に対して使われていたものが、戦後、より厳しく、厳格に定義されている。
・国外強制退去による国内の民族浄化。
・異民族、異文化・異宗教に対する強制的な同化政策による文化抹消。
・国家が不要あるいは望ましくないと見なした集団に対する断種手術の強要あるいは隔離行為。
といった特定の集団等の抹消行為を指し、物理的な全殺戮のみを意味するのではない。
要するにホロコーストが二度と起きないように、ジェノサイドの時点で止めようとする知恵が感じられるとともに、ホロコーストが大量虐殺である事をも確定している。
知られていないナチスのジェノサイドとはホロコーストでは無いことはもうお分かりだろう。
この写真は優生学を表現しているが、優生学自体が現在ではタブーとされている。
優生学とは生物の遺伝構造を改良する事で人類の進歩を促そうとする科学的社会改良運動であるが、これを実践し劣等な子孫の誕生を抑制し優秀な子孫を増やすことにより、単に一個人の健康ではなく一社会あるいは一民族全体の健康を計ろうとしたのが、ナチスであり、1939年から1941年8月までに、約7万人のドイツ人障害者が「生きるに値しない生命」として抹殺された。
ナチスのホロコーストの2年前から開始されたジェノサイドはホロコーストと差別を生み出す恐ろしい思想であるとタブー視されたのである。
昭和天皇の所謂『人間宣言』の
『天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ』
はナチスドイツのこの事を指して差別への決別を表されていたと思っている。
パラリンピックや障害者スポーツ大会の開会式には皇太子殿下が参加されたり、今上陛下が施設をご訪問なさるのは先帝陛下の思いを実践し差別の根絶を祈られている証であろう。