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靖国神社の小堀宮司が退任の意向を伝えたことを各社がスクープ的に「天皇批判」として取り上げて其々独自の解釈で報じている。先ずはそもそも天皇批判なのかとの疑義を抱くが、公開された核心部分 を見てみよう。
【「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう思わん? どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊(みたま)はないだろう? 遺骨はあっても。違う?(中略)はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」
「もし、御在位中に一度も親拝(しんぱい)(天皇が参拝すること)なさらなかったら、今の皇太子さんが新帝に就かれて参拝されるか? 新しく皇后になる彼女は神社神道大嫌いだよ。来るか?」】
内容でなく言葉使いに不穏当な表現があるが、皇室批判ではないことは初めに言及しておく。
言葉使い以外に敢えて問題となった部分をあげれば、
『今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ』
『皇后になる彼女は神社神道大嫌い』
の2箇所であろう。
これに関しては最後に述べるとして、各社の記事をもう一度読み返してみたい。(前ブログ)
以下の8社が報じているのだが、どれも恣意的な解釈か意図的で作為をもった解釈が見受けられるのでその部分を其々抽出してみよう。
⚫️ 花田紀凱
⚫️ スプートニク日本
⚫️THE liberty web 幸福科学
⚫️BBCニュース
⚫️JIJI.com 時事通信
⚫️産経新聞
⚫️朝日新聞
⚫️毎日新聞
⚫️ 花田紀凱の週刊誌ウオッチング
『いくらクローズドの会議とはいえ、これは完全にアウトだろう。』
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⚫️ スプートニク日本
明仁天皇
昭和天皇は1978年、同神社にA級戦犯が合祀されたことへの強い不快感を示し、1975年の参拝を最後に靖国神社を訪れていない。明仁天皇が参拝しないのはこうした昭和天皇の意思を引き継いでいるものと受け止められている。
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⚫️THE liberty web 幸福科学
神官の長である天皇が神社にご親拝することは、宗教的にごく自然なこと。天皇が自由に神社をご親拝できなくなれば、天皇の宗教的権威を否定することにもなりかねない。
大川隆法・幸福の科学総裁は2010年7月、昭和天皇の霊言を収録し
昭和天皇の霊は、「『自分の国の国民で、戦死した人たちを慰霊する』ということは、やはり、その民族の誇りでもあるし、義務であると思っております」と語られており、むしろ靖国参拝を望まれていることが分かった。
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⚫️BBCニュース
第2次世界大戦の戦争犯罪者として有罪判決を受けた戦犯も合祀
来年に退位が予定される明仁天皇はこれまで一度も靖国神社を参拝していない。
明仁天皇は、中国と朝鮮半島での日本軍の行為について、哀悼の意を表明してきた。
BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員はこの発言流出について、日本の保守の多くが天皇についてどう考えているかを垣間見るめったにない機会だと話している。
明仁天皇の父で、戦時中に天皇だった裕仁天皇は、1978年に第2次世界大戦のA級戦犯14人が合祀されて以降、靖国神社を訪れなかった。
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⚫️JIJI.com 時事通信
靖国神社の広報担当者は、こうした発言があったことを認めた上で、「極めて不穏当な言葉遣いの録音内容が漏れた」と説明。
天皇と靖国神社をめぐっては、1978年にA級戦犯が合祀(ごうし)されて以降、昭和天皇の参拝が途絶え、天皇陛下も即位後一度も参拝されていない。
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⚫️産経ニュース
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⚫️朝日新聞
同神社では今年2月、前任の徳川康久宮司の発言が「神社創建の趣旨に反し、賊軍合祀の動きを誘発した」などと問題視されて、徳川氏が辞任。
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⚫️毎日新聞
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【解説】
解説であるが、先ず新聞社のニュースが意外な事に的確に事実だけを淡々と記事にしている。つまり、何も印象操作していないことに驚かされる。
その中でもただ一点朝日新聞の前宮司徳川氏の退任理由まで言及しているのだが、あくまでも徳川氏は「一身上の都合」で退任している。
「会津藩士や西郷隆盛ら『賊軍』の合祀(ごうし)の動きを誘発した」との徳川氏批判は靖国神社NO3の元禰宜の暴露本からの引用だろうが、勝手な推察に過ぎないのである。
要するに新聞各社は日経のスクープした富田メモがその効力が安定して浸透しているだけにつまらない印象操作をする必要がないのである。
これは靖国神社が自分達の思うがままの状態や状況に安定している証でもあり、小芝居する必要がないのである。(産経を除く)
従ってその他の週刊誌の目新しいスクープで靖国神社のイメージが既存されていくのを高みの見物をしているだけで済む訳である。
問題はやや右よりの花田氏、幸福、更にBBCである。これは報道上の問題ではあるが、宮司、靖国神社側の問題とは分けて考える必要がある。
先ず花田氏の『いくらクローズドの会議とはいえ、これは完全にアウトだろう。』は右寄りでありながら靖国神社と皇室の関係を無視しているように感じる。
クローズドだからこその問題の本質に迫る宮司の発言を単なる皇室批判と捉えてしまっては右寄りどころかちょっと左寄りであろう。
幸福の科学だが、危険なのは皇室を一宗教として言及している点と教祖の霊言である。その論旨は正しいのだが、皇室は宗教法人ではない。これはなんら共産党の天皇観と変わらない考え方と言える。
最後にBBCであるが、大雑把過ぎる。此の期に及んでまだA級戦犯を戦争犯罪人とし、今上陛下は皇太子時代に参拝されている。翻訳のミスか、日本軍の行為に哀悼の意など表明していないし、保守の多くが天皇批判などしていない。頓珍漢な外人目線である。
そして、戦犯合祀で御親拝中断となんともがさつで大雑把である。
その他は特段取り上げる価値もない。
さて、冒頭の『今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ』と『皇后になる彼女は神社神道大嫌い』であるが、雅子妃殿下のことは置いておいて陛下が靖国神社を潰そうとなさるとはどう捉えるべきなのか?
小堀宮司の退任は二通りの可能性が考えられる。
①小堀宮司が嵌められた
②小堀宮司自身の自作自演
⑴小堀宮司は今上陛下が海外慰霊には出かけるが靖国には勅使を遣わすことを取り上げ、祭り主でありながら天皇となられて一度も御親拝なさらない距離感は潰そうとしていると受け取るのは靖国としてはあまりにも自然な捉え方であり、その危機感を靖国神社の100人以上の組織の長として警鐘を鳴らしたと考えると音声をリークした人物に嵌められたのであろう。
⑵一方意図的に問題発言をして、自ら音声データがリークされることを見越して発言していたら。
文字通り自作自演で靖国神社と皇室の距離感を問題にし、御親拝中断を継承されていることを起爆剤にして御親拝へ加速させようと画策したのかもしれない。
これらを総合すると
靖国神社と宮司は創立150年を迎えるにあたり、天皇陛下の御親拝を切望している。明らかに皇室は靖国神社と距離をおいている。
新聞各社は戦犯が合祀されている靖国神社には天皇陛下は御親拝しない。そんな中宮司が皇室批判し退任しては御親拝は遠退いて、存在意義も薄れる。
靖国神社で会おう、会いたくなったら靖国神社においで、そう約束して死んだら靖国神社に神として祀られ天皇陛下が御親拝下さる。
これが天皇陛下と靖国神社の関係である。
戦争は犯罪ではなかった筈が戦犯とされた殉難者達、日本が犯罪国家では無かったことを唯一証明する施設に注がれる冷やかなマスメディアの視線。宮司の退任はそんな靖国神社を国民からもその関係を引き裂く差別的思考ではないだろうか。