日が沈み、辺りは薄暗くなって来ました。
ラクシュミは帰ってきません。
永の訣れの時が来ました。
ここ二、三日何度も今がその時かと思う瞬間があり覚悟は出来ていたつもりです。
実は昨晩も一緒に布団に寝ながら、もしかして冷たくなってしまうかも、などとも考えました。
冷たくなった生き物が自分の横に居ることを想像して複雑な気持ちでしたわ。
十数年前の事ですが当時飼っていたカーリーという黒猫が亡くなるとき私達は彼女の死を看取りました。
ガンのため腫瘍があちこちに転移して最後歩くのも大変な状態でした。
最後の最後にカーリーがヨロヨロと外に出ようとした時、私達は彼女を止めることが出来ました。
私達の呼びかけに戻ってきたカーリーはキッチンの床に横たわりそこで息絶えたのです。
カーリーは最後の息を吸ったあと小さく体を震わせそして逝きました。
カーリーの息が止まった瞬間、眼の前にあるのはただの亡骸でもうそこにカーリーは居ませんでした。
それはとても不思議な経験としてハッキリと記憶に残っています。
魂の抜けた亡骸はカーリーであってカーリーでは無い、という感覚は体験して初めて判ること。
今回ラクシュミとの別れもなにかそういった経験をさせて貰うような気持ちがありました。
こういう形で永のお訣れが来ようとは驚きです。
ラクシュミの病気は余りに突然でそれだけに悲しみも倍増です。
今夜は家事もする気にならないのでラクチャンの冥福を祈り歌を歌うことにいたしましょう☆