ウォールストリートジャーナルは、中国が貿易協議妥結の条件として、米製品のファーウェイへの販売禁止の撤廃、これまでかけられてきた関税の全撤廃などを求めていると報じた。
WSJによれば、ライトハイザー氏と劉鶴(リュー・ホー)氏は今週に電話協議をおこなっており、トランプ氏と習氏の首脳会談の前にさらに直接会談を予定している。
こうしたなか、中国は貿易協議妥結の前提条件として、(1)米製品のファーウェイへの販売禁止の撤廃、(2)中国に対する懲罰的関税の全撤廃、(3)アメリカからの輸入増加目標を現実的なものとする、ことなどを求めていることが明らかになった。
(3)についていうと、現在、アメリカから中国への輸出は1200億ドル(13兆円:1ドル=110円)程度にとどまっている。WSJによると、ある中国政府関係者はアメリカから3000億ドル(33兆円)分の輸入増加を求められたが、非現実的な目標だと述べている。
一方、WSJは、アメリカ側は5月に貿易協議がまとまりかけた際の協議内容(中国がそこから突然態度を変えて合意内容の見直しを求めたため交渉中断になったとされている)が、交渉の出発点になるとしている。
米中首脳会談が実現したことで、中国からの輸入3000億ドル(33兆円)に対する関税(10-25%)の適用はしばらく留保となる可能性が高い。
しかし、WSJをみるかぎり米中の距離はいぜん大きく、どちらかが大きな妥協を準備しているようにはみえない。中国政府が、来年の米大統領選挙でトランプ氏が再選されないと考えるなら、この時期に中国が交渉妥結をいそぐ理由は小さい。
明日の米中首脳会談では、貿易協議の再開(スケジュール)が決まるかどうか、交渉の期限(関税引き上げまでの期限)がどうなるか(1か月といった短期になるか3-6か月といったものになるか)、などに注目したい。