コロナの影響で急速に経済が悪化する一方、多くの国で株価の上昇が続いている。
とくに株価上昇が目立つのがアメリカ。
下の図は2020年5月7日(木)の株価が昨年末(2019年末)の株価の何%まで回復しているかをしめしたもの。
S&P500は昨年末の9割近くまで値を戻し、ハイテク株の多いNASDAQは年末株価をわずかに超えるまでに回復していることがわかる。
下の図は、インターネット関連のハイテク銘柄の株価をしめしたもの。
テスラ、NVIDIA、アマゾン、マイクロソフト、アップル、Facebook、グーグルはすでに昨年末の株価を超えている。
とくに株価上昇が目立つのがテスラ。テスラの時価総額は、GM、フォード、FCA(フィアット・クライスラー)全部を合わせた額より大きくなっている。
NVIDIA(エヌビディア)とアマゾンの株価も年末より3割近く高くなっている。
株高の背景としては、景気はすでに底をうち、これから急速に景気回復が進んでいくと考える人が多いことがあげられる。
各国中銀の無制限の資金供給により利回りが低下し、行き場をうしなった資金が株に流れ込んでいるとの指摘もある。
しかしそれでも、このような株高に違和感を感じる人は少なくない。
私の専門分野である雇用についていうと、アメリカの雇用者数が純増に転じるのは年後半で、コロナ前と同じ雇用者数にもどるには数年かかるとみられている。
現在の株価上昇がどこまで続くのか、株価上昇を追うかたちで経済も急回復していくのかどうか、ひきつづき注意してみていきたい。