2019年9月17日(火)-18日(水)、米連銀(Fed)の金融政策を決定するFOMC(公開市場委員会)が開催され、0.25%の利下げがおこなわれるとみられている。
その理由のひとつが低インフレであるが、9月11日(水)に発表されたCPI(消費者物価指数)に気になる数字がでた。
アメリカの8月のCPIは前年比1.75%のプラス。FOMCが上限目標とする2%には届かなかった。
しかし、価格変動の激しいエネルギーと食品を除いたコアCPIは前年比2.39%となり、2008年10月以降でもっとも高い数字になった。
とくに上昇が目立つのが家賃(持ち家含む)と医療関係。
利下げが続くと、住宅需要を押し上げ家賃のいっそうの上昇をもたらしそう。
医療などサービス業は、輸入で代替することができないため、賃金上昇の影響を受けやすい。アメリカでは3%を超える賃金上昇が続いており、医療などサービス業の価格にはこれからも上昇圧力がかかりやすいと思われる。
エネルギーと食品についても、今後上昇の可能性がある。
エネルギー価格については、2019年9月12日にIEA(国際エネルギー機関)がアメリカ、ノルウェー、ブラジルなど非OPEC加盟国の生産量が増えているため2020年には原油供給が過剰になるという予想をだした。
それでも、2018年11月から2019年2月にかけてガソリン価格が大幅低下しているため、(1年前の価格と比較するため)今年の11月から2月ぐらいまでエネルギー関係のインフレ率が上昇することがみこまれる。
また現在は、米中貿易摩擦により農作物が行き場をうしない大量にアメリカ国内にでまわり、食品価格を低下させている。
しかし、中国が米国産農作物の輸入を拡大するようなことがあると、食品価格の上昇がみこまれる。実際この数日、中国が米産大豆の購入拡大を決定し、米産大豆価格が上昇するということがおこっている。
FOMCのあとにおこなわれる会見で、パウエルFRB議長がこうしたインフレ傾向についてどのような見解をしめすのか注目される。