謹賀新年
2009-01-01 | 詩
新しい年が明けました。珍しく風邪をひき、初日の出を拝みに行くことも初詣に行くこともせず、犬たちのお散歩さえ行く気力がなく、冬眠状態でした。もそもそ起き出して賀状の整理やメールのチェックをし、まったく晴れやかな元旦ではなかったので、せめてこころ穏やかになるよう、詩誌『帆翔』に掲載された作品を新年の一歩として記しておくことにしようと思います。ふぅ。
しあわせ
伸びをした猫の
いきおいいよく開かれた指の先に
なでられると転がっておなかを出す犬の
そのおなかのぬくもりに
しあわせは宿っている
本棚の本の埃の上にも
風に揺れる洗濯物にも
レインコートからしたたる雨粒にも
しあわせは宿っている
しあわせはやってくるものではなく
いつも今ここに
わたしのなかに存在している
気づかないだけで
しあわせを探しにいこう
しあわせをつかみたいと
あなたはいうけれど
あなたが産声をあげたとき
すでにしあわせを宿している
こころのなかに
しあわせはだれかに
与えてもらうものではない
どんなに小さなことでも
どんなに当たり前のことでも
あるだけでありがたい
やれるだけでありだかい
と感じられる
そのこころのなかにある