小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

犬のヘルニア

2009-01-26 | 犬&猫との暮らし

 少し前にお散歩仲間の黒ラブのバウに会ったとき、飼い主さんからバウが立ったり座ったりする時や走り出すと痛がって鳴くと聞き、「まあ、どうしたのかしら。お大事に」と言って別れたのですが、昨日バウの家の近くに住むグラッシーの飼い主さんから、バウはヘルニアだったと聞かされました。

 ヘルニアとは体内の臓器などが正常な位置から飛び出してしまった状態をさし、犬に多いと言われているのは「臍ヘルニア」「鼠径ヘルニア」「会陰ヘルニア」「椎間板ヘルニア」など。会陰ヘルニアは特に高齢犬のオス犬がなりやすいとされています。

 椎間板ヘルニアは人間にもよく見られるので、その名前もよく耳にしますね。臍ヘルニアや鼠径ヘルニアなら、お臍や足の付け根付近に異常なしこりや膨らみがあるなど、飼い主さんでも異変に気付くようだし、獣医さんの触診でも分かるようです。
 バウがどこのヘルニアかグラッシーのお父さんの話からでは分かりませんでしたが、バウの飼い主さんは「獣医さんに連れて行っても、どこが悪いのか分からなかった」と言っていたので、椎間板ヘルニアかもしれません。 

 椎間板ヘルニアは椎骨と椎骨の間にあるクッションのような働きをする椎間板が、老化やあるいは何らかの原因で変形して、外に飛び出したり椎間板内の髄核が押し出されたりする状態で、それが脊髄や神経を圧迫して痛むんですね。神経を圧迫するわけだから、ひどくなると神経麻痺を起します。 

 人間の背骨は頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎5個で構成されていますが、犬は頸椎が7個、胸椎が13個、腰椎は6~7個でできています。腰椎6~7個というのは胴長の犬がいるからで、胴長の犬は腰椎が7個なんですね。

 背骨のどのがヘルニアを起こしているか、現在ではレントゲン撮影で分かるのですが、正確な診断を下すためには何枚もレントゲンを撮らなくてはいけなかったり、脊髄に造影剤を注入して撮影しなくてはなりません。それには犬の場合、全身麻酔になるので、検査自体、犬にとって負担が大きいですね。

 ひどい場合は手術をして神経を圧迫している椎間板を取り除かなくてはならないのでしょうが、手術も神経叢を傷つけないようにしなくてはならないし、想像するだけで飼い主のほうが怖気づいてしまいそう…。
 バウは神経ブロック注射と抗炎症薬などで症状をやわらげ、様子を見ているとのこと。軽度の場合はそれが一般的な処置のようです。昨年、急性腰痛症の激痛で動けなくなった私としては、バウの痛みは他人事ではありません。

 うちの3頭はクリを除いて体格もよく、重量的にもちょいオーバーなので、腰についてはかなり注意してきました。ここに引っ越した時も、もともと敷いてあったフローリングでは滑りやすいとの心配からクッションフロアに変えたし、車の荷台に容易に飛び乗れないようなら、さっさと自分が手を貸して乗せてやってきました。

 高齢になると加齢による骨の変性も起こってくるので、特に注意しています。背骨に強い刺激が加わるような過激な運動はさせず、ボール持来を思うようにしなくなっても、ビスケット投げで「よし」としています。
 頸椎に負担をかけることがないよう、数年前からチョークチェーンもやめました(雨の日は手入れが楽なので使うこともあるけど、つい癖でショックを入れそうになるので)。

 高齢の大型犬の場合、筋肉を軽くマッサージしてあげたり、関節の可動性をチェックしてあげたり、歩き方の変化やちょっとしたしぐさに注意をしながら、グルコサミン、コンドロイチンなどが配合されたサプリや魚油をエサに混ぜるなど、予防も大切なんだと思います。

 ちなみに椎間板ヘルニアは「冷やす」とよくないようです。夏は冷房の温度に注意し、冬は、外犬なら冷気や寒気、寒風を避けるような配慮が必要なんだそうですよ。室内でも敷物の上に休ませてあげたほうがいいみたい。

コメント
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