家族だけではなく(タハラは独りではあるが)、知人にも看取られる猫って稀だよねと言いながら、ルビを偲びつつ(?)酒を酌み交わし、タハラといろいろな話をしたのだが、タハラは「もう死んで物体となったら、私にとってはゴミだ」などと、びっくりするようなことを言うのだ。
でも、それはその人その人の死生観も含めた捉え方だから、それがおかしいとも言えまい。
確かにタハラとは考え方は大きく違うのだが、彼女と話していて小気味良いのは、彼女が話をはぐらかしたりせず、自分の主張をしっかり伝えてくるからだな。変に取り繕って優等生っぽい逃げ方はしないし、違う考えであっても上から目線で小馬鹿にしたもの言いもせず、どっぷり四つに組める話しっぷりなので、たとえ全く相容れない意見であっても不愉快じゃない。
私は、相手や話の内容によって、話をはぐらかしたり、真摯に返さずうやむやに返そうとする態度には本当に腹が立つ。とはいえ、おそらく「話すに値しない」と思っているから、そういう態度を取るわけで、こちらが怒ってもしようがないのだよね。それは意見や考え方が違うという以前の問題だから。
タハラとは久々にたくさん話したが、自分の主張があって面白かった。
タハラはかつて、私が託した蘭丸という猫の遺骨を持て余していると言うので(だって彼女にとっては、もうゴミなんだもの)、引き取ってこようと思ったのに、呑んでいて忘れてきてしまった。近々またタハラと会って、受け渡してもらおうっと。