ガソリンもいつ買えるようになるか分からないので、車で河川敷に行くのはやめ、犬の散歩は徒歩で出かけられる範囲にし、買い物にもリュックを背負って徒歩か自転車で行ける範囲で納めることにした。
スーパーに向かって家を出ると、周辺の道路が大渋滞。信号が消えているせいかと思ったらそうではなく、給油渋滞であった。
最寄りのガソリン・スタンドまでかなりの距離があるのに、そこら中の道に車が数珠つなぎ。交差点内にも車があふれ、給油しないほかの車やバスの運行に支障をきたしていた。ガソリン・スタンドが開いた途端、この始末である。
その様子を眺めながらスーパーへ。スーパーの中でも、びっくり仰天であった。
すっからかんの棚、棚、棚。パン、カップ麺、レトルト食品、水、トイレットペーパーなどなど、ごっそりなくなっていた。
店では補充はせず、補充分は被災地に回しているのだろうか。
これほどの買い出しは停電に対処するためなのか? 天災に備えて? 普段、備蓄はしていないのだろうか。
ドラッグストアのワインの棚にもポツンと1本、赤玉ワインが残っているだけだった。ワインまで買いだめ?
市のホームページでは、私の地区の計画停電は中止するという通知があった。それなのに、海江田大臣は会見で「このままだと今夜、予測不能の大規模停電が起こる恐れがある」と言っている。
それなら第3グループでも計画停電を実施すればいいのに、こちらは覚悟しているのだから。予測不能な大規模停電を計画停電ではカバーできないのだろうか。何のための「計画」なのだろうか。
昨夜、煮炊きをしていたら、ふっと真っ暗になった。計画停電だ。
私の居住区は発表を見る限り、第1グループなのか第3グループなのか、分からなかった。昨日は見送られたグループもあったので、停電になってはじめて、どうやら第3グループらしいということが分かった。
非常用のペンライトを点けて、用意してあったコールマンやロゴスなどのキャンプ用ランタンを持ち出した。白ガスタイプじゃないので、簡単に点くけれど、電池はすっかり買い占められてしまっていて、どこにもない。
停電もおそらく長丁場になるだろうから、電池は大事に使わなくては、と思い、コールマンのランタンも蛍光灯を1本だけ灯して、あとはアロマ用にたくさん買い置きがあるロウソクに火を点けた。
ペンライトで煮炊きを終え、食卓につくと、辺りは静まり返っているし、そよともしないロウソクの炎が淡い光を放ち、何だか厳粛な雰囲気になってしまった。
灯油ももう品切れでいつ買えるか分からないのでストーブもつけず、食後は毛布にくるまって本を読んで過ごした。
被災地の人たちを思えば、暖房はなくても自分の家で過ごせるだけましである。