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先週は取材に打ち合わせにと連日外出していて忙しく、あっという間に1週間が過ぎちゃったという感じ。
月曜日、ヨネスケさんに会って、またまた美味しそうな駅弁のお話を聞き、火曜日は上田市のぶどう農家、飯塚果樹園に取材に行きました(上の写真は「アキクイーン」という品種)。
大粒ぶどうの代表品種で、その粒の大きさから「ぶどうの王様」の異名をもつ「巨峰」。そんな「巨峰」には、飯塚系、佐藤系、東部系、桜井系など、作出した生産者の名がつけられた選別系統があります。
「巨峰」生産全国一の長野県にあって、選別系統をもち、オリジナル品種から特別高級品種まで、18品種におよぶぶどうを生産している飯塚芳幸さんを訪ねたのでした。
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飯塚さん(写真より実物の方がいい!)飯塚さんちのクロちゃん
60歳になったばかりというから、取材してきた篤農家のなかでは、まだ若いほう。土づくりにこだわっていて、お話はすごく面白かった。
就農した当初は、水田転作によって開園した土地のため水はけが悪く、ぶどうは根が張れず、すぐに根腐れしてしまったそうです。飯塚さんは暗渠排水路を巡らせ、有機質を施すなどさまざまな対処を試みたのだけど、思うような成果を出せずにずいぶん悩んだといいます。
そんなとき、マルタの農法と出会い、土壌微生物の働きや根と根圏微生物の関係などを学ぶ機会を得て、健康な根を育てるための土づくりの重要性に目覚めたわけです。
「根づくり、土づくりには良質な有機質や微生物が大事だ。土壌微生物の代謝がキーポント。微生物を大事にした農法は、どこも味のいい作物をつくっているよね」って。
そして「木には意識がある。葉にも果実にも自分の意志を反映させる。木の意識をつかさどっているのは根っこでしょ。だから土づくりが大事なんだよ。木の健康も人間の健康も一緒だよ」とも言っていた。いいこと言うなあ。
畑を見渡せば、どの木も根や幹がなんと立派なことか。ブドウを平面栽培で効率よく生産するには、葉っぱを小さく立体的に仕立てることが大切なのだそうで、それには節間(節と節の間ネ)を短くすればいいらしい。
節間を短くするには成長を促すだけの施肥は控えて、地力を持たせる。つまり成長促進する肥料をガンガンやっちゃダメなわけです。
葉っぱを小さく立体的に仕立てれば、どの葉にも幹にも根にもまんべんなく日が当たるようになるでしょ。土づくりによって、葉っぱの大きさまで調節できちゃうというのだから、驚いてしまいました。
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特別高級品種。ヨーロッパ系の「アウローラ21」。
粒が大きくてパッションフルーツのような味。
種なしで皮ごとパクリ。旨い!
土は継続的にヒューマス(腐植)を必要とするとか、土壌のアミノ酸の話とか、台木と品種の親和性の話とか、篤農家の取材では毎回、農業は生物学であり化学だなあと、実感させられます。すっごい面白いのだけど、ときにちと難しい。
土壌微生物の活性を高め、地力を維持するために、飯塚さんは化学肥料や除草剤は一切使わず、モグラ堆肥や海藻粉、貝化石、バッドグアノ(コウモリの糞)などを施用しているそうです。コウモリの糞は熟成されていて、非常にいいらしい。稀少で高価だけどね。
それでも、たくさんやりゃいいってものではなくて、やはり見合った施肥量があるわけね。土をいじめない施肥量が。
食べさせてもらったぶどうはどれも、ぶどうの概念を見事に覆してくれました。種なしで皮ごと食べられる、甘~い大粒ぶどうにはびっくりでした。
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こちらも種なし皮ごとOKの「シャインマスカット」。
特別高級品種。甘いけどさっぱり。果肉はプルプル。
飯塚さんのぶどうはかなり高価です。たとえば「種なしハウス巨峰」で2房4,300円とか、「アウローラ(赤ぶどう)」「ピオーネ(黒ぶどう)」「ロザリオビアンコ(緑ぶどう)」のセットで1万500円とか。
でもでも、栽培の手間のかけ方や味からすれば、納得する価格かも。お遣い物にしようっと。
セレブ御用達の広尾・明治屋には、飯塚さんのぶどうのコーナーがあるそうです。飯塚果樹園の電話番号は0268-38-2190。
月曜日、ヨネスケさんに会って、またまた美味しそうな駅弁のお話を聞き、火曜日は上田市のぶどう農家、飯塚果樹園に取材に行きました(上の写真は「アキクイーン」という品種)。
大粒ぶどうの代表品種で、その粒の大きさから「ぶどうの王様」の異名をもつ「巨峰」。そんな「巨峰」には、飯塚系、佐藤系、東部系、桜井系など、作出した生産者の名がつけられた選別系統があります。
「巨峰」生産全国一の長野県にあって、選別系統をもち、オリジナル品種から特別高級品種まで、18品種におよぶぶどうを生産している飯塚芳幸さんを訪ねたのでした。
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飯塚さん(写真より実物の方がいい!)飯塚さんちのクロちゃん
60歳になったばかりというから、取材してきた篤農家のなかでは、まだ若いほう。土づくりにこだわっていて、お話はすごく面白かった。
就農した当初は、水田転作によって開園した土地のため水はけが悪く、ぶどうは根が張れず、すぐに根腐れしてしまったそうです。飯塚さんは暗渠排水路を巡らせ、有機質を施すなどさまざまな対処を試みたのだけど、思うような成果を出せずにずいぶん悩んだといいます。
そんなとき、マルタの農法と出会い、土壌微生物の働きや根と根圏微生物の関係などを学ぶ機会を得て、健康な根を育てるための土づくりの重要性に目覚めたわけです。
「根づくり、土づくりには良質な有機質や微生物が大事だ。土壌微生物の代謝がキーポント。微生物を大事にした農法は、どこも味のいい作物をつくっているよね」って。
そして「木には意識がある。葉にも果実にも自分の意志を反映させる。木の意識をつかさどっているのは根っこでしょ。だから土づくりが大事なんだよ。木の健康も人間の健康も一緒だよ」とも言っていた。いいこと言うなあ。
畑を見渡せば、どの木も根や幹がなんと立派なことか。ブドウを平面栽培で効率よく生産するには、葉っぱを小さく立体的に仕立てることが大切なのだそうで、それには節間(節と節の間ネ)を短くすればいいらしい。
節間を短くするには成長を促すだけの施肥は控えて、地力を持たせる。つまり成長促進する肥料をガンガンやっちゃダメなわけです。
葉っぱを小さく立体的に仕立てれば、どの葉にも幹にも根にもまんべんなく日が当たるようになるでしょ。土づくりによって、葉っぱの大きさまで調節できちゃうというのだから、驚いてしまいました。
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特別高級品種。ヨーロッパ系の「アウローラ21」。
粒が大きくてパッションフルーツのような味。
種なしで皮ごとパクリ。旨い!
土は継続的にヒューマス(腐植)を必要とするとか、土壌のアミノ酸の話とか、台木と品種の親和性の話とか、篤農家の取材では毎回、農業は生物学であり化学だなあと、実感させられます。すっごい面白いのだけど、ときにちと難しい。
土壌微生物の活性を高め、地力を維持するために、飯塚さんは化学肥料や除草剤は一切使わず、モグラ堆肥や海藻粉、貝化石、バッドグアノ(コウモリの糞)などを施用しているそうです。コウモリの糞は熟成されていて、非常にいいらしい。稀少で高価だけどね。
それでも、たくさんやりゃいいってものではなくて、やはり見合った施肥量があるわけね。土をいじめない施肥量が。
食べさせてもらったぶどうはどれも、ぶどうの概念を見事に覆してくれました。種なしで皮ごと食べられる、甘~い大粒ぶどうにはびっくりでした。
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こちらも種なし皮ごとOKの「シャインマスカット」。
特別高級品種。甘いけどさっぱり。果肉はプルプル。
飯塚さんのぶどうはかなり高価です。たとえば「種なしハウス巨峰」で2房4,300円とか、「アウローラ(赤ぶどう)」「ピオーネ(黒ぶどう)」「ロザリオビアンコ(緑ぶどう)」のセットで1万500円とか。
でもでも、栽培の手間のかけ方や味からすれば、納得する価格かも。お遣い物にしようっと。
セレブ御用達の広尾・明治屋には、飯塚さんのぶどうのコーナーがあるそうです。飯塚果樹園の電話番号は0268-38-2190。
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