“竜頭蛇尾”とは、初めは勢いが盛んであるが、終わりの方になるにしたがって、振るわなくなるたとえである。今年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定であるが、竜頭蛇尾で終わらなければ良いと思っている。なぜなら今、世界中を震撼させている新型コロナ禍、米中対立、中東での内戦長期化、中国による台湾への圧力、ミャンマー国軍の少数民族を含む国民への弾圧など、不安要素が一杯あるからである。人間の愚かさを思わざるを得ない。
ところで、中東シリアで内戦が勃発したのは今から8年前の2011年、東日本大震災が起きた年だ。このところ膠着状態が続いていたが、昨年10月、トルコ軍がクルド人武装組織の支配するシリア北部への作戦に踏み切り、にわかに動きが出はじめた。直前には米トランプ大統領が、シリアからの米軍撤退を宣言。この突然の宣言が、トルコ軍の進軍になったと見られている。
シリアをめぐる構図は、複雑である。米ロ二大国の思惑だけでなく、トルコ、イランといった中東の地域国の利害も絡むからだ。そこに、シリア、トルコ、イラク、イランにまたがる国を持たないクルド人の存在もかかわってくる。クルド人は、推定人口3千万人~3千5百万人といわれている人種である。
このように世界は今、新型コロナ禍だけではなく不安定な状態にあると言ってよいだろう。世界がどうあるべきか、どう変わっていくかは分からないが、残りの短い人生なので自分にできることを粛々と行っていこうと思っている。ただこの先、どのような社会ができるのかは誰にも分からないが、各々の希望が合わさって未来への希望につながるのである。言葉を換えて言えば、選択可能な未来は私たちが持っているということである。
それぞれの立場の人たちが、地球温暖化を含む様々な問題に対して英知を結集し、全力でことに当たってもらいたい。この全力が大切で、火事場のバカ力である。そうすることによって、道は開かれると思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員T