世界は今、戦争・民族紛争・迫害・人権侵害などにより、2021年末時点で故郷を追われた人の数は約9千万人 。そして、2022年5月には、その数は1億人を突破したことが発表された。なお、このブログに書かれている数値は、2022年6月にUNHCR本部によって発表された数値である。
現在の難民は、ロシアのウクライナ侵攻で難民になった人々だけではない。ウクライナをはじめ内戦や民族衝突など、世界各地で起こっている人道危機により、難民は増え続けているのである。一方、この1年で気候変動により2,370万人が国内避難民となるなど、難民の数は増加傾向にある。
ところで、1914年から1918にかけての第一次世界大戦後、ロシアでは長い間にわたって寒波に見舞われ、推定で2,000万人の難民を生み多くの餓死者を出している。そこで活躍したのが、ノルウェイの探検家 ナンセン氏であった。
彼は飢餓難民救済活動の功績が認められ、ノーベル平和賞を受賞している。彼は“難民の父”と呼ばれ、また国際連盟にも強くかかわり、戦勝国以外の小国が国際連盟に入れたのも彼のおかげといわれている。
今、世界において戦争や迫害により、避難を余儀なくされている難民などの申請者は2019年末時点で、第二次世界大戦後最大の約7,950万人。前年比870万人増である。外務省のホームページによると、主要な難民発生国は、シリア(約660万人)、アフガニスタン(約300万人)、南スーダン(約220万人)となっている。なぜ、難民が生み出されてしまうのであろうか。難民が増加する原因として、主に以下の3つが挙げられる。
- 内戦や紛争による迫害
- 政治的立場のある人たちによる人権侵害
- 環境や気候の変化による生命の危機
シリア内戦やイエメン紛争などをはじめ、長期化する戦争により故郷から逃げざるを得なくなっている。また、プーチン大統領のように政治的立場のある人が自己利益を求めるがゆえに、国民が生活できなくなっているのである。人間らしい生活を求めて、隣国の先進国へと逃げてくる難民も生み出されている。加えて、発展途上国では、気候や地震、環境が変化して自国では生きていけなくなった人々もいる。このように世界中には、国や故郷を追われた難民が大勢いるのである。
私は、太平洋戦争の時には生まれていなかったので詳しくは分からないが、日本は中国に侵攻して満州国を作っている。この戦争でも、両国に多くの難民が生じたことを、我々は忘れてはなるまい。現在、第三次世界大戦が起こっても不思議でない状況にあるが、過ちは二度と起こしてはいけないのである。ウクライナ戦争などを見ていると、人間は、何と愚かなのであろうかと思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員