3月1日付け北海道新聞(1面)に、国内主要8社によって作られた新会社ラピダスが、千歳市工業団地に半導体工場を建設することが大きく載っていた。驚いたことに、10年間の投資額がとして約5兆円が予想されており、北海道の歴史の中で最大の投資案件になるそうだ。
北海道は食と観光が主要産業であったが、これにハイテク産業が加わることになり、これによって人口が増えて北海道の良さがたくさんの人に分かってもらえば大変なことになる。
2019年度の産業別総生産の割合で北海道は、農業などの1次産業のウェイトが全国の約4倍、逆に2次産業の製造業のウェイトが9.4%で、全国平均の半分である。ラピダスの進出は、道内経済の産業構造に変化をもたらすものである。
いろいろな意味から無限の可能性を秘めた投資で、北海道は人口減少による縮小社会の到来から悲観的に考えていたが、久しぶりの嬉しいニュースであった。
日本の半導体は1980年代、世界シェア50%ほどをしめていたが、国ぐるみで企業育成していた台湾や韓国などに競り負け、現在では10%ほどに落ち込んでいる。“産業のコメ”と言われる半導体産業が復活すれば、日本の復活にもつながる。ラピダスの事業の成否は、日本経済の将来を占うものと言っても過言ではない。
驚いたことにはもうひとつある。この工場進出のことは、テレビや新聞で何回も載っていたが、愚息に話すと全く知らなかったのである。無知であるということは、恐ろしいことである。愚息は小さな民間会社で働いているとは言え、このような日本や北海道の将来に関係していることは、無関心ではなく知っていてもらいたいと思った。
「十勝の活性化を考える会」会員