十勝の活性化を考える会

     
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俳句の効用

2023-03-29 05:00:00 | 投稿

          

私は二年前から俳句を始めたが、その効用は以下のようなものである。

  • 頭を使うから、認知症の予防
  • 季語など、語彙の増加
  • 四季折々に対する感受性の涵養など

何事でも同じであるが、“好きこそものの上手なれ”である。季語も知らない自分であったが、七歳年上の女性恩師だった方に勧められて入会したが、多くの人との出会いがあり大変楽しい。

俳句には、常套的な表現は使わないとされている。例えば、星が光るとか、鈴がなる、白い雪などとは言わなくても分かるので、当たり前の形容詞は省いた方が良いそうだ。また、結果や結論も言わないで、読者に連想させるのが良い俳句とされている。

若い人を中心に簡略言葉がはやっているが、俳句や短歌は日本文化のひとつなので大切にしたいものである。すべての趣味についてもいえると思うが、長く行なっていればいるほど分かってくるものがある。“継続は力なり”ではあるが、自分が満足する俳句を作るには、10年はかかるだろう。

俳句ブームの火付け役の俳人夏井いつき氏に言わせると、俳句は病気を治す薬なようなもので、自分が満足すれば良いそうである。ただ、凡人が達人の域に達するためには、毎日の修行しかないだろう。

ところで、日本のわびさびを詠んだ松尾芭蕉の俳句が大きな影響を与えているが、ここで彼が詠んだ俳句を一句。

「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」

これは、とても芭蕉らしい一句だといえる。この句を詠んだ時点で彼は、これが辞世の句となるとは思っていなかったわけであるが、その4日後に天国に旅立っている。彼は、生涯にわたって旅人であった。

また、私の父は65年間にわたって俳句をやっていたが、その中の一句。

「亡夫の待つ 同じ日に逝く 梅雨仏」

これは、妻の母親が75歳で亡くなった時に詠んだ弔句である。たまたま、妻の母親が亡くなった日が、7年前のその父親と同じ日であったために、このような俳句になったものである。妻の叔母は、この俳句をみていつも涙ぐんでいた。

ところで、短歌は31文字で作られているので、俳句に比べてその情景が分かりやすい。短歌で有名な中城ふみ子は、1922年(大正11)生まれの戦後の代表的な女性歌人の一人。帯広女学校(現在の帯広三条高校)出身で、若くしてガンを患いながら歌集「乳房喪失」を出版し高い評価を得るに至ったが、彼女の短歌は次のとおりである。(享年32歳)

「母を軸に子の駆けめぐる原の昼 木の芽は近き林より匂ふ」

「冬の皺よせいる海よいま少し 生きて己の無残を見るか」

「離婚の印押したるのちに自信なく 立てり我は悪妻なりしか」

「十勝の活性化を考える会」会員