食欲を考えてみた。人間の欲求にはいろいろあるが、その最たるものは食欲だろう。“食足りて礼節を知る”という言葉があるように、顧客満足度を高めるには、お客に対するスタッフの応対と、スタッフの待遇改善(賃金)を改める必要があろう。
なぜかといえば、人間は賃金の多寡によって動く動物であるからだ。賃金が高ければそれを守ろうとして、それなりに人間は動くからである。 ただ、人間は感情の動物であるから様々で、賃金の多寡だけで動くわけではない。動機づけが必要なのである。
私は中途障害者で、リハビリ施設の帝王と言われるほど多くの施設を利用してきた。リハビリ施設には、それぞれ良い面と悪い面があり、自分に合った施設を選ぶことが大切である。それにしても、介護施設のスタッフの賃金が安いのが気になる。
高齢化で、どこもかしこも高齢者向けリハビリ施設やグループホームが立っており、介護スタッフなどの有効求人倍率は高いと思われるが、仕事が楽でないのでなり手が少ないらしい。もっと賃金を上げれば、良い人材が集まり笑顔のスタッフが増えるだろう。何かが変である。
ところで、私は大阪で働いていたことがある。大阪人は、1年間ぐらい相手の様子を見ている。そして、信用が置ける人物と判断したら、とことん面倒を見てくれる。関西人には、そんなお節介なところがある優しい人たちで、道産子には合っているかもしれない。これが人馬一体の、「馬が合う」ということであろう。
欲にはいろいろあり、人間の5大欲求については、①生理的欲求、②安全の欲求、③社会的欲求、④承認の欲求、➄自己実現などがある。この欲求は、数が大きくなるほど高次元の欲求となる。
資本主義にしても共産主義にしても、この欲求で成り立っている。30年前に出版されたガルブレイスとメンシコフ共著“資本主義.共産主義、そして共存”の本には、資本主義と共産主義の違い、核・原発の脅威、貧富の拡大などが書かれていた。
この本を読んで思ったことは、新型コロナ禍により人々の格差が拡大する中で、資本主義の限界などを指摘したカール・マルクスが、最近、あらためて脚光を浴び、50~100年も経つとお互いが良いところを取り入れているらしい。確かに、資本主義国では福祉に、共産主義国では市場経済に注力している。
この3年あまり世界はコロナに振り回されているが、新型コロナは変異した形で再来する予想もあるので油断大敵である。ただ、地球温暖化で分かるとおり地球環境を破壊してきたのは人間だけであり、米中の対立をはじめ国々の対立ではなく、「共存社会」の実現を図ってもらいたいものである。
「十勝の活性化を考える会」会員