北の国からシリーズの田中邦衛氏が演じる“黒板五郎氏”が、先月3月24日に亡くなったそうである。連続テレビドラマ“北の国から”は21年間も続いたが、黒板五郎氏の言葉の一節を紹介する。
黒板五郎:「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。ここには何もないが、自然だけはある。」
「自然は、お前らを死なない程度には充分喰わせてくれる。」
「自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。」
「それが父さんからの、お前らの遺言だ。 」
~北の国から「遺言」より~
ロケ地になった富良野市六郷(帯広市から約120キロ)にはたびたび行ったので、同氏の思い出は尽きない。特に、息子の純を演じた吉岡秀隆氏が、川に携帯電話を投げ捨てたシーン、拾ってきた家などは、“豊かさとは何か”、“幸せは何か”など、使い捨ての今の世の中の風潮に何かを訴えたかったのだろう。もしテレビドラマが、自分に大きな影響を与えたとするならば、このドラマがそのひとつになるだろう。
倉本聰氏は28歳で独立したが、NHKスタッフとのケンカから北海道に住むようになったそうである。そして、利害関係のない札幌すすきの人たちとの何げない会話や歌手”北島三郎の付け人になって、気配りや人間の在り方を学んだという。倉本聰の脚本にはいつも、「人間は、平等で差別してはならない」ということが描かれているという。
また、このドラマに流れるBGMも大好きで、今でもテレビコマーシャルなどに流れている。ラベンダーで有名な富良野市“六郷”に10回ぐらい行ったが、なぜかと言えば、その先には、日本百名山で有名な十勝岳(2,077m)や富良野岳(1,912M)があり、何度か挑戦したからである。ただし、十勝岳の頂上は雲がかかりやすいために、屋久島の宮之浦岳に登った時と同じように雨が降ることが多いので、周りが晴れていても雨が降る時があるので注意が必要である。
北海道のほぼ中央にある十勝岳からは、天気が良ければ大雪山(2,290m)やトムラウシ山(2,141m)、阿寒岳(1,499m)、遠くには斜里岳(1,547m)、羅臼岳(1,660m)が見える。羅臼岳の頂上では、国後島など千島列島が綺麗に見ることが出来たが、一方で自殺した先輩のお兄さんとばったり遭った思いで尽きない山である。
なお、「岳」と「山」の違いは、富士山などのように独立峰の場合は“岳”と表現し、連なっている場合は“山”と表現するらしいが、その区別する統一的な定義はないというのが実際なようである。
「十勝の活性化を考える会」会員T