VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

幸 不幸 の分かれ道

2012-10-02 14:34:43 | 日記
朝から図書館で

 L・M・モンゴメリーの世界を旅してきました



読書量もはんぱじゃなかった小・中学時代だったけど

 なぜか 皆様お勧めの 「赤毛のアン」には触手が動かず


やっと読んだのは、高校生になってからでした



 以来、訳がでているモンゴメリーの作品は 全部読みましたが


それでもあきたらず モンゴメリーって どんな人?

 という探究心がわき いろいろ調べたのでありました



でてきたのは 

 表面フレンドリーで 内面好き嫌い激しく 辛辣、ナイーブ

しかも 差別心まんまん  という別の顔



理想をどこまでも追い求め 決して満足する事はなかった彼女


 その人生は いばらの道そのものでありました



最後は 傷つき 戦いに力つきて・・という亡くなり方をしています


 アンの青春で 友人だったギルバートに求愛されながら

どうしても友達以上にはなれないと拒み続けたアンでしたが

 ギルバートが チフスで死にかけた時 自分の感情は

「愛」なのだと気づく場面があります。


実生活で モンゴメリーは 尊敬できないけど愛していた人がいたのですが

 結婚はできないと別れて、その後

タウン記事で 彼が病で亡くなった事を知ります


 おそらく 彼女の実体験から

フィクションの世界では、ギルバートは生還し、二人は結ばれたのでしょう


 悲しいお話です 


このパターンは 彼女の他の話にも

 いろんな形で語られます


生き別れて、他の人と結婚するパターン

 亡くなって、思いでの中に生きるパターン等々


また、当時婚約していた男性との婚約を一方的に解消した事もあったようで


 その話も 「アンの愛情」や 「エミリー」のなかで

出てきます



 そして、一番の悲劇は

モンゴメリーの結婚だった というのも 皮肉です


 夫となった人は 牧師でしたが

ついに愛することは できなかったようです
 


 しかも うつ病がひどくなり

その看病と 周りにそのことを知られないようにとの心労で

 並大抵でない苦労をするのです


その様子は 「炉辺荘のアン」に出てきます


 嵐で遭難して助かった夫は

頭のケガから 別人になりはててかえってくる

 その夫を一人 人に知られないようにめんどうを見るレスリー

という隣人の話


 モンゴメリーの作品には 注意深くみると

本人が葛藤した問題が 繰り返し

 作中のエピソードとして語られているようにみえます



地位と名声は手に入れたけれど

 決して幸せとはいえない人生だったモンゴメリー



先日 TVで 「リセット」というドラマを見たけれど

 (主人公とその友人2人が、17歳に戻って 人生をやり直してみる

という話)


 結局 人生って パターンが変わっても 幸福かどうかというのは

自分のとらえ方が重要なのかも・・という落ちになっている


 モンゴメリーの不幸は

その頑固さと 固執性にあるようにおもえました



 もっと開かれた性格なら

あんなに苦しまなかったし


 もっと 人を偏見でみなければ

幸せに暮らせたと思えたのでした



 あんまりえらそうな事は言えませんけどね


少し 楽に肩の力を抜いて生きる


 これ、重要かも

と思わされたのでした