今回は 枕上書より 陳貴人と葉靑緹の物語部分を
解説してみました。ドラマはやはりドラマチック
に仕上がっていますねー(≧▽≦)
靑テイは名門の出で、武人として王朝を支えた家系
の跡取り息子。常に「死」と隣り合わせな為、結婚
の縁が来ない。そんな状況だった事もあってか
武運を上げて国に貢献した際、皇帝から正妻と妾を
賜る事になった。
妾として賜った陳貴人は 皇帝の寵愛を受けた途端に
冷淡になって、皇帝を近寄らせなかったが、皇帝は
変わらず寵愛していたという。なのになぜ 家臣に
下賜される事になったのか?靑テイは密偵に陳貴人
がどういう人物かを探らせた。
すると 貴人は 皇帝の貴妃に恋文を書いたと判明した。
靑テイはこの変わった女性にいささか興味を持った。
貴人を迎え入れたその日、こっそりと貴人に会いに
行った靑テイが そこで見たのは・・・
『銀の鈴のような 小さな笑い声をきき、そちらを
見ると 碧く広がる蓮池があった。鬱蒼と広がる
蓮の葉の上、蛍を追って走る 白い衣の女子が
いる。銀色の月明かりの中、たまに顔がこちらに
向く。眉間には 鮮やかな赤い花、大きな瞳は
星の光を溶かしたよう。唇に浮かぶ かすかな
笑みが 彼女の顔を 際立たせている。
靑テイがうっかり踏み出した足が枝を踏んだ為
女子を驚かせてしまった。
柔らかな白い光が池の中の亭に向かっていった
かと思うと 女子の姿は跡形もなく消えてしまった。
靑テイが慌てて亭にたどり着くと、青色の衣の
女性が 目をこすりながらベンチから起き上がった。
女性は丸顔で美人の部類ほどのもの。呆然として、
「靑候爺?」と言った。靑テイは彼女の額にある
痣のような花模様を見た。先ほどの白衣の女性の
額にあったものと同じ・・・
靑テイは わけがわからないふりをしている女性
を 可笑しくも 可愛く思って 言う。
「貴女は 妖 なのか?」
否定するだろうと思ったのに 女性は「今の私の
様子は 妖 に見えるの?」「ますます
落ちぶれてしまったわ・・・前は ただ、眉間の
花を 妖花と言われただけだったのに、今や
自身さえ 妖 と言われてしまうとは・・」
さらに 溜息をつき、「私は 本当に 妖に見える?
私のどこが 妖に見える?貴方は 私ほどに美しい
妖を見た事があるの?」
靑テイはドギマギして「天上の神仙なのか?」
と尋ねる。「神仙は天上にしかいないと思って
いるのね。私は靑丘の神仙。東荒の神女 鳳九
なの」 靑テイは恋愛をしらずに23年間生きて
きた。そして、初めて恋したのは神仙だった。
その神仙は美しく、性格は 活発で柔和。料理の
腕は素晴らしく、矛や剣で舞うのを好んだ。
彼らはとても 話が合った。
この度 人間界にやって来たのは 今上皇帝に
情劫を作る為なのだ と 彼女は言った。』
(長くなるので 次回へ)