わしは家族に嫌がられながら、ごくたまに温泉ハップをお風呂に入れて温泉気分を楽しんでいる。温泉ハップを入れると、まさにH2Sのにおい、つまり、イオウのにおい、いわゆる卵の腐ったにおいを発する。
ここ最近、H2Sを発生させて自殺する人が増えているので、温泉ハップのにおいが外にもれて、警察を呼ばれたりしないかひやひやしながらお風呂に入っているのだ。いい迷惑である。
ところで、ワシはつねづね、真冬に東北の山奥の前人未到の秘湯を探して、お風呂にゆったり浸かりながら、実は知らずその秘湯の近所にH2Sが自然発生していて、雪見湯に浸かりながら夢見心地で死ねたら、こりゃ最高だぜ、なんて思っている。
ホテルや自宅で化学的にH2Sを発生させて、多くの人に迷惑をかけて死ぬようなは人々はそんな発想しないのだろうか。よしそれなら、秘湯を探してこころおきなく死のう、なんて考える人が増えれば、こんなアホな自殺事件も減るのだろうが。