なんちゃら製鐵なる会社がある。あったとする。「なんちゃら鐵鋼」でもいいが。この1週間ほど、この会社に提出する資料をしゃかりきにこしらえた。
一番気を使ったのは「鐵」の字である。わざわざ「鐵」の字を使っているところをみると、相当この字にこだわりがあるとみた。「鉄」だと「金を失う、で縁起が悪い」なんていう会社があるのだ。であるから、システムの登録に絶対間違いがあってはならねえと、「やろうども、ぜったいヘタこくなよ」と軍団に気合を入れて資料を作った。
こんなことするのも、過去何度も痛い目にあってきているからなのだ。たとえば、T島屋のTの字は「高」ではなく「」である。立場的に向こうのほうが優位な立場にあるのだから、どっちでもいいだろ、というわけにはいかない。
そんな苦労をして、今日お客さんと名刺交換したら何と。お名刺には「なんちゃら製鉄」と「鉄」の字が・・・。「どっちでもかましまへん」、とのことであった。登記上は「鐵」なので、それはそれでよかったのだが。