美味徒然 トロワサージュで…

飯田橋に移転したトロワサージュのソムリエが綴る
フレンス料理、ワイン、洋食にまつわるetc

ヴィンテージ・ブルゴーニュ 再入荷です!

2016-08-25 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

このところの天気の変化に翻弄されまくっております。皆さまも外を歩く時、気が気ではないのでは?早く怪しい動きの台風10号とおさらばして夏の終わりを楽しみたいものですね。

以前ここにも書いたお手頃古酒ワインがあっという間に無くなりまして…(私が飲んだのではありませんよ!) あまりにも好評でしたので残りの在庫分を全部戴きました。

正直、飲む前は少し不安でした。特にリュリーは、赤は有名ではありませんし、長熟タイプと書かれている文献も無し。若い時は軽快でフルーティーな印象。味わいに深みがあるとは思えなかったです。(私の未熟な感想です) 

それが……しみじみ美味しいのです。鋭かった酸味が柔らかくなって、果実味が旨味に変わりつつある感じ。タンニンも程好く、まとまっています。確かな厚みを感じます。(梅系ともダシ系ともエキス系とも違う感じ…さくらんぼかな?熟したプラム。)

きちんと造られた素朴なワインが良い状態で熟成されると、決して派手ではないけれど、料理と合わせて心地良いワインになるというお手本かな。

古いヴィンテージのワインは大概、高級ワインばかりで16年前のを手に入れようとすると手が出ないこともしばしば。リーズナブルなワインは、倉庫代など様々なリスクをとって保管しておいても割に合わないので滅多に出てきません。飲んでしまったら無くなってしまうし、熟成に耐える保証も無し。

そういう意味でも貴重です。こういうワインを売れるのは、ソムリエ冥利に尽きます。


お宝 ヴィンテージ ブルゴーニュ

2016-07-21 | ワイン

 飯田橋のトロワサージュです。

 

 

とある大手インポーターさんの倉庫に眠っていたブルゴーニュのヴィンテージワインを分けて戴きました。しかもグッドヴィンテージの2002年のメルキュレーも!!

 

最近のブルゴーニュって、オフヴィンテージでも美味しくなってきているなと思いませんか?出来の悪い年と言われていても造り手さん次第ではそれを全く感じさせないし、若くても美味しく飲めるものが増えた気がします。

とっても有り難い事なのですが、やはり中には気難しーいブルちゃんもございまして、「いつ開ければいいのよ?」とセラーの中で灯りにかざしながら問いかけております。

うまく熟成したブルゴーニュの良さというのは、一度味わうとつい追い求めたくなってしまいまして。うちのセラーの中にもまだまだ我慢のブルちゃんが眠っております。

 

… なので良いヴィンテージの熟成ワインは喉から手が出るほど欲しいけど、高すぎても手が出ないし、素性がはっきりしない物は買いません。ヴィンテージワインですが良心的な価格でお出しできます!

 

 


梅雨入りですね。

2016-06-06 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

 

関東地方も梅雨入りをしたようですね。雨は嫌いだけど、紫陽花の花を見ると和みます。

今年は未だ台風が発生していないそうで、これは18年ぶりだそうです。

熊本の復興を待ってくれていると思えば有り難いのだけど、例年と違うというのは不安でもあります。

 

パリも雨続き、ブルゴーニュも雨が多くて寒いようです。地域によっては、ひどい大雨と雹に見舞われたそうです。ニュースによると、コニャックとシャブリが雹の被害を受けたと報道していました。シャブリに至っては、この2週間に雹が降ったのは2度目だそうです。ブルゴーニュではここ数年、毎年雹被害の話を聞きますが…今年は特にひどいかもしれません。

 

地球規模で考えると、少しずつ気象状況って変わっていくものなのかな?永遠に変わらないものは無いのだろうな…。そう思うと自然と人の努力の結晶のワインが愛おしく思えます。

 

最近、けっこう試飲会が多いです。夏場にはワインを動かしたくないので、この時期にドカンとワインを仕入れます。去年は急に暑くなって焦った記憶があるのですが、今年は大丈夫そうですね。かなり満足のいくラインナップになっております。

飲み頃を待っていたワインも美味しくなってきました。

皆さまのお越しをお待ちしております。

 

 

詳しくはホームページを…。http://troissages.muse.bindsite.jp/


長い長い時を超えてきたワイン

2015-12-09 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

…とある店の地下セラーで眠っていたワインが、飲み頃ヴィンテージワインが手に入りました。

1996年のブルゴーニュブラン…レジオナル(AOCブルゴーニュ)の20年物なんて、とっくにピークアウトだと思って試しに開けてみました。

うわっ!!これは…

 

すごく綺麗に熟成したムルソーの味わいなのですよ。いや~ 本当にワインの世界って奥が深い!もっと格が上のワインでも10年そこそこなんてざらにあります。

   ちなみに私がソムリエの資格を取ったのもこの頃だったなぁ…。 開くのに結構時間がかかりましたが、ここからの余韻は長いですよ。

ニュイサンジョルジュとかもありまして…これはもう私が飲みたい!! という気持ちを抑えつつのオンリストです。じっと我慢の子です。ここまでなってくるとプロでも一期一会の世界であったりして。

単なる葡萄酒ではない、ワインの世界を知ってしまうと…もう戻れません。だからこそ、できるだけ飲み頃の良い状態のワインを召し上がって戴きたいと思ってサービスしております。

 


ワインの試飲会シーズンです。

2015-08-05 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

毎日毎日、お暑うございます。今週いっぱい位は猛暑が続くとの事ですが、先週も同じことを言っていたような?

パリも暑いそうで、7月中旬には36度越えだとか…と思えば一転して、7月下旬は18度。温度計が壊れているとしか思えないです。これからフランス旅行を計画中の方!!夏だからと言って油断をせずに荷物のご準備を。我々も一昨年のパリでは、真夏日の次の日が冷たい雨の日曜日…服を買おうにも店は休みという辛い経験をしました。寒かったな~。 

この時期は何故か試飲会が多くて…調子に乗って試飲していると、炎天下に出た時にクラクラします。ただ、やはり収穫はあるもので、秋冬に備えてのラインナップ、かなり自信がございます。うちのセラーのカワイ子ちゃん達の熟成具合もバッチリ!冬まで持つかな?なんて勢いでつい売ってしまうワインもあって…まあ、楽しいです。

 


試飲会シーズンです。

2015-04-15 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

美味しく育っているワインたち

この時期は試飲会が多いです。夏場はあまりワインを買いたくないので、今のうちに買い込むので結構な真剣勝負。

本音で言うと試飲会の一瞬でそのワインの良さを判断するのは、全くもっておこがましくて…難しい。開けた瞬間から美味しいワインもあれば、時間をかけてじわじわと本領発揮するワインもあります。だから何となくピンときたワインは買ってみてグラスワインように空けてじーっくりと向き合います。

たまに持ち寄りでインポーターさんがワインを持ってきてグラスに注いでくださいます。これは本当に有り難い!時間の経過でそのワインの魅力がよく理解できます。

これはっ!!…というワインは全量抑えたし、好きなワインの新しいヴィンテージも購入OK!!奥のほうにしまってあるワインと、そろそろ入れ替えしましょうか。皆様に美味しいと言っていただけますように…。

ただね、ワインリストの更新がなかなか追いつきません。載せてないのも沢山ございますので、ご相談下さいまし。

 


春の飲み頃ワイン

2015-03-03 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

セラーの中でじっと我慢の子………。まだ飲むのは早いなと思って眠ってもらっていたワイン達が、ようやく目を覚まし始めました。良い環境に恵まれているからできることなのですが、ソムリエとしては本当に嬉しいです。わが子の成長を喜ぶ気持ちに近いかな?…大げさですね。

ワインは瓶の中で日々変化しているので、経験に基づいて判断するしかないのですが、お客様にお出しする時にそのワインの魅力がバッチリ出ている時は、心の中でガッツポーズです。

ワインの世界は知れば知るほど面白いです。この密かな喜びを少しでもお分けしたいと思っております。


今年の一押しワインです!

2015-01-26 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。 皆さま、年末年始と美味しいワインを召し上がりましたか?

私のお年始ワインは、このシャトー・クレージュベルナール・デ・ラグランジュのヴォルネイです。ボルドー、ブルゴーニュと贅沢な二本開け、5日かけてどう変化していくか様子を見ながらだったのですが。どちらも甲乙つけがたい良いワインです。

シャトー・クレージュ 2008年…こういうワインを探しておりました。良いワインを見つけるとテンションが上がります。

ボルドーでは珍しく小さな家族経営の造り手。自然を尊重する栽培によってテロワールを大切にワイン造りを行っています。テクニックワインが幅を利かせるボルドーの中では、貴重な生産者の一人です。そんなわけでヴィンテージ毎にキャラクターが変わることもあるのですが…2008年は本当に私の好み!!メルロー主体の柔らかくも凝縮した果実味と心地好く溶け込んだ樽の甘い香り、木目細かいタンニンのフルボディ。ひそかに身を潜めているミネラルと酸が 艶やかな表情を魅せています。開けたてから美味しく、時間が経つごとに魅力的な味わいに変わります。

ワインはヴィンテージによって味わいが変わったり、良い年のワインでも飲み頃があるし、何より飲んだら無くなっちゃいますからね。気に入ったワインは沢山の方に飲んで戴きたいし、在庫が減ってくると売りたくないような…という葛藤です。……売っちゃうんですけどね。

シャトークレージュはガッツリ押さえてありますので、ご安心ください!グラスワインでもお出しいたします。

今年も上質のワイン(手頃な)を求めて、試飲会を彷徨います!!


2014年 収穫祭

2014-11-22 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

上の写真はロマネコンティの畑からラターシュを望んでおります。

さて、ボジョレーヌーボー解禁日も過ぎました。今年はどうなの?と訊かれることが多いのですが、多分良い年だと思います。

…と云うのも実は我々、9月中旬にブルゴーニュに行って参りました。ブルゴーニュとボジョレーは割と近いです。

ブルゴーニュのボーヌでは収穫の真っ最中!真夏かと思うほどのお天道様、絶好の収穫日和でした。ポマールでは雹の被害で残念な畑もあったようですが、大方の畑は素晴らしく熟した葡萄が採れたようです。2011年から2013年まで減収が続いていたので、皆さんホッとした表情でした。

コート・ド・ニュイでもすでに収穫している畑と、もう二、三日我慢の子でグランヴァンを目指す畑…。どちらもニコニコの笑顔でした。久々の好天に恵まれる中での収穫は葡萄摘みの人達もテンションが上がるそうなのです。

仮装をして葡萄摘み。ラテンですね~。

皆さん本当に忙しそうでした。

…と云う訳でブルゴーニュに限っては、とても期待の持てるワインができそうで楽しみです。

実はわたくし、晴れ女でして…ワインの為に毎年収穫期にフランスに行くかな!…行きたいな。

 


飲み頃ワイン

2014-02-27 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

1999年、2005年、2006年…飲み頃ワインが白、赤、ロゼ…ボルドー、ブルゴーニュ、ラングドッグといろいろ揃っております。

綺麗に熟成したワインは、穏やかながらもじわじわ旨味が広がります。料理にもそっと寄り添って、意外なマリアージュを見せてくれます。本当に稀ですが、これは葡萄酒というカテゴリーを超えたのでは!?というような魅惑の液体に変化します。

私はそういうワインが大好きなので、熟成しそうな若いワインはじっくりとセラーで育てております。不思議なことに届いてすぐ飲むより、1カ月から半年休ませてから飲む方が断然美味しく感じます。

最近、瓶での熟成について考察した本に巡り合いまして、私が経験上なんとなく感じていることが書いてありました。ただ…ワインを仕入れて、売って注ぐだけではなく、ワインをより良く育てるという事がソムリエの仕事として重要なのです。

いまだ瓶熟に確たる答えは無く、これからも試行錯誤の日々だと思います。グラスの中のワインを呑みほした時のお客様の笑顔が見られるように、そしてお値段以上の味わいのワインを召し上がって戴けるよう頑張ります!

詳しくはホームページを…。http://troissages.muse.bindsite.jp/


2013年のフランスワイン事情

2013-11-23 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

気が付けば霜月も後半に差し掛かり、世間ではボジョレーヌーボの看板が目に入ります。

フランスのワイン造りは例年にない気候の変化に悩まされているようです。2013年の収穫量は、かろうじて昨年を少し上回るものの…ボルドー、ブルゴーニュと苦戦しております。あまり良い年とは言えないような…。ただ、そういう年こそ造り手の真価が問われます。私の好きな造り手さん達は、少ない収穫量の中から素晴らしいワインを造って下さることでしょう。

1つ心配なのは2年続いての収量減、良い造り手さんの所には世界中のバイヤーが集中しているそうです。私もじっくり売っていける良質なワイン、2009年2010年を中心に集めております。本当にセラーがあって良かった。

今年に入ってからのユーロ高もなんのその。どうぞ安心してお召し上がりください。


美味しく熟成しました!

2013-10-28 | ワイン

 

飯田橋のトロワサージュです。

 

 

セラー内の温度は16度、湿度は73%…良い感じです。

 

ワインが届いてから、最低でも1週間。できれば半月以上は寝かせてからお出ししています。

気のせいだと言われるかもしれませんが、絶対に味が違うのですよ。

 

このセラーのおかげで、ストレス無しでワインの仕入れができます。

掘り出し物を逃さずに買えるのが、最高に幸せ。

何年後かを楽しみにワインを買えるのは、もっと幸せ。

 

ちなみに今のお気に入りは、

ブルゴーニュなのにシャルドネではない白ワイン。

ピノ・ブーロと言う品種です。アルザスではピノ・グリと言います。

とっても綺麗に熟成していて、儚げな花梨の風味の後味にうっとりします。瓶も独特。

 

もう1つ

ミネルボワの2006年の赤ワイン。

シラーとグルナッシュのブレンドで、ほどよく野性的なフルボディが

歳を経て、葉巻の風味のダンディに変身。穏やかに旨味たっぷり。

 

せっかくトロワサージュを選んで来て戴いたのだから、美味く熟成した飲み頃ワインを飲んで 戴きたく…頑張って探します! 

 


日本産ワインを楽しむ会  

2013-05-23 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

最近、日本のワインを飲む機会が増えてきました。先日、参加した「日本ワインを楽しむ会~九州、四国編」。わたくし、初めての九州・四国ワインだったのですが、驚きました!レベルが高い!

全てシャルドネ種

右から、①安心院 スパークリング 2011 (大分) ②菊鹿シャルドネ 2010と2011のブレンド(熊本)

 ③安心院 イモリ谷 2009

右から④都農ワイン シラー プライベートリザーヴ2010 (宮崎) 

⑤久住ワイナリー ピノノワール樽仕込み2010 (大分) ⑥久住ワイナリー メルロー2012

 

シャルドネは日本の土壌にも合いますね。

シラーは……こんなシラーは初めてでした。酸味が強くてピノを連想させます。酸味は強いですが悪くないのです。いえ、むしろ美味しいかと…土壌の違いを楽しめました。やっぱり農作物は土です。

レアなワインを揃えて下さった岡部先生に感謝です。

雲仙の竹炭フロマージュ

それから美味しいフロマージュを出して下さった梶田いずみ先生も、有り難うございました。


アブサン

2012-03-07 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

フランスで、買ってきたアブサンです。なんと!?アルコール度数が70度越えです。にもかかわらず、香りと味わいが繊細で優しい砂糖菓子の様な可憐
さ。…危険です。
ロートレックを始め巴里の画家達が夢中になるのもわかる気がします。
このお酒は、食前にはお出し致しません。ワインが全てアブサン味になってしまいますから。


クレマン・ド・ブルゴーニュ

2012-02-03 | ワイン

飯田橋のトロワサージュです。

今、うちでお出ししているヴァン・ムスー(泡のワイン)です。
上質なピノ・ノワール90%で造られる本格派。芯がしっかりして、コクもあります。泡が若干粗い事を除けば、下手なシャンパンより美味しいです。しかしブルゴーニュで造っているのでシャンパンとは名乗れません。その分お値段はぐっと下げるのでコストパフォーマンスは最高です!

2001年のフランス発泡酒コンテストでは、全くの無名にもかかわらず金賞をかっさらった強者です。
それもその筈、まだワインの法律がなかった頃、シャンパーニュに葡萄を卸していたのですから歴史も実力もあります!!

軽い肉料理でしたら充分合いますので、最初から最後まで通して飲んでも良いですね。