町工場の話

2007-03-11 11:52:31 | 資格・転職・就職

前回のブログで「今年は冬らしい日が無い」と書いたとたんに寒くなった。今日も冷たい雨が降っている。先週の金曜日に某機械メーカーの面接を受けた。 一般に面接では、採用する側が就職を希望する者に質問をするのが普通であるが、その面接ではほとんど私が質問をして社長が答えるという異例の形になり時間も2時間以上の長丁場になった。 その会社(というより町工場)はある特殊な産業機械を作っていて市場シェアを3割持っている。その産業機械の用途は食品、製薬、化学等の分野にわたり各分野で無くてはならない重要な機械である。機械の基本原理そのものは昔から知られていて特許フリーであるが良い機械を作るには製造上のノウハウが必要である。その会社の製造ノウハウはたった一人の66歳の職人さんが持っているのであるがその技術の伝承ができずにいる。職人ワザを数値化することも他の人に伝承することもうまくいっていないようだ。競合他社は国内では2社しかないので少し営業努力をすれば売上は伸びるはずであるがほとんど営業活動はしていない。長年の会社の体質がそうさせている。一方中国製の低価格品が出回ってきている。中国品は品質的にはまだまだであるが将来どうなるかわからない。このままでは遠からず3代続いた事業を廃業しなければならなくなるので窮余の策として会社を再建してくれる人を募集した。私の質問に答えてその社長さんはこんな話をしてくれた。話をうかがったときは、「いっちょうやってみようかな」と思わなくもなかったが、冷静になって考えると会社再建へのストーリーが思い浮かばない。66歳の職人さんの技を伝承させるのがポイントになるが、普通に考えるともうその時間が無い。この事業をやってみたい気持はすこしあるが、勝算がない。 今週水曜日に予定されている地方の会社の面接に期待しよう。 その地方でウィンドサーフィンができるということはすでに確認している。面接が首尾よく進み就職できるかどうかわからないが、昨夜妻を近所の飲み屋に連れ出し、将来地方都市に移住することになるかもしれないことを伝えた。特に異論は無かったが、横浜に連れてきた母をどうするか・・・ 「いつものことだけど、あなたは計画性がないね」と妻に言われ返す言葉も見つからない。

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